故人とは?
故人という言葉には、主に2つ意味があります。一つ目は、亡くなった人という意味です。もう一つは古くからの知り合い、旧友、旧知のことを言います。「故」という字には、「昔の」や「古くからの」という意味があり、友人の中でも「故人」が意味するのは、昔から仲の良い友人のことです。
ここでは、「亡くなった人」という意味を掘り下げていきます。亡くなった人を表す言葉はいくつかあります。「故人」の他には「死者」や「死人(しにん)」、「死人(しびと)」などです。これらは、どのように使い分けるのでしょうか。「故人」は、生前関係があり知り合いであった特定の人のことをさします。それに対して、「死者」、「死人(しにん)」、「死人(しびと)」は、知らない人や不特定多数の人のことを言うときに使います。また「故人」は、亡くなった人を思い出すときに使うのに対して、その他の3つの言葉は、亡くなった状況を客観的に見るときに使います。
テレビニュースや新聞、雑誌などで、「故・○○○○」という表現があります。これは、亡くなった人全員がこのように表されるのではなく、基本的には歴史上の人物など、亡くなった事実をほとんどの人が知っている場合は「故」は付けられません。亡くなったことをあまり知られていない場合や、その前後の文脈などからも読み取りにくい場合などに「故」が付けられます。
故人の豆知識:故人に向けてのお悔やみの言葉
故人に向けてのお悔やみの言葉は、普段頻繁に使用するものではなく、ましてやその使い分けなどを知っている方は少ないでしょう。そこで、もしもの時のための、状況によってのお悔やみの言葉を紹介します。
まずどの状況の時にでも使われる、最も一般的なお悔やみの言葉が「このたびは、まことに御愁傷様でございます、心からお悔やみ申し上げます」です。この言葉であれば、マナー違反になることはありません。
病気で亡くなった方に対するお悔やみの言葉は、「皆様のご看病の甲斐なく、残念なことです」や、お見舞いに伺えなかった場合などは「入院中にお見舞いに伺えませんでした」などを加えます。
事故など、急に亡くなった方に対するお悔やみの言葉は、「このたびは突然の出来事で、いまだに信じられない思いです」など、気持ちを伝えるのもマナーの範囲内ですが、突然の事に深いショックを受けているご遺族に対してあえて言葉をかけないということもあります。加えて、故人の最期の状況などはこちらから尋ねてはなりません。
また、故人がご高齢の場合に「大往生でしたね」や「まっとうされましたね」などの発言はマナー違反です。参列者に高齢の方も多いでしょうし、故人に対してもっと元気に長生きしてほしかったという気持ちを伝えるのが適切です。
このように、お悔やみの言葉はその状況に応じて使い分けることも大切ですが、一番重要なのは「亡くなって悲しい」という気持ちを丁寧に伝えることですね。