翌日祭とは?
神式の葬儀の翌日に行われる儀式のことで、葬儀が無事に済んだことをお知らせする神霊祭のことをいいます。翌日祭には神官を招いて、自宅か墓前にて行われます。
仏式葬儀で行われる法要に当たる儀式で、翌日祭が終わると、十日ごとに、十日祭・二十日祭・三十日祭・四十日祭・五十日祭と続いてゆきます。五十日祭(または三十日祭)で「清祓いの儀」を執り行うことで、仏教の忌明けとします。
ただ最近は葬儀のあとにそのまま当日中に、翌日祭から五十日祭の霊祭を省略して行ってしまうことが一般的となっているようです。ひとつひとつ段階を経て霊祭を行うことは、忙しい現代人にとってはかなり負担となるんですね。
五十日祭が終わると、神棚封じを解禁します。神棚封じというのは、神式での忌中の儀式のひとつです。神道では、死は穢れであるという考え方がもとになっているため、家族が亡くなった場合、その死の穢れから神様を守るために、神棚の扉を閉じます。
閉じた扉には白い紙を貼り付け、今度扉を開くことができる時期がくるまでは、礼拝は行いません。ほったらかしにして、神様に対し失礼ではないかと思いたくなるところですが、神棚に触れることの方が良くありません。神様に穢れが入ることの方が問題だからです。
穢れというのは、私たちが普段使っている汚れというのとは、意味合いが全く違います。汚いという意味ではなく、気が枯れる―気枯れ―けがれ、からきている言葉で、生命が枯れていくというイメージによるものです。
翌日祭の豆知識:平安神宮の翌日祭
葬儀で行われる霊祭の翌日祭とは違いますが、翌日祭とはやはり平安神宮の祭事である、例祭と例祭翌日祭のことを思い出してしまいます。
平安神宮とは京都市左京区にある神社です。明治28年(1895)4月1日に行われた平安遷都1100年の記念のイベントに伴って建てられました。平安遷都は桓武天皇が奈良の平城京から平安京へ都を移したものです。そのため平安神宮では桓武天皇が祀られているのです。その後、第121代の孝明天皇が平安京で最後に過ごした天皇として、祭神に加えられています。
平安神宮では何かと祭事の多い京都でも最もお祭りの多い神社と言われていますが、例祭は特に重要なお祭りと位置付けられています。毎年4月に例祭、その翌日に翌日祭の2日間かけて行われます。翌日祭では神賑行事が行われ、舞台で華やかな舞妓の奉納の舞踊を見ることができます。