水子供養とは?
水子というのは、妊娠をしたけれど生まれてくることが出来ず、母親のお腹の中でそのまま亡くなってしまった胎児のことです。流産、死産、人工中絶などがその理由になります。
水子を供養することを水子供養といいます。せっかく命が宿ったのに、生まれてくることが出来なかった胎児の死は、その両親にとっても耐え難い悲しみとなることが多く、水子の供養を行うことで、心に整理をつけ、また我が子を失くした苦しみや悲しみを癒す効果もあります。
水子供養の方法としては、神社でも寺院でもできますので、自分たちが望む場所を選ぶといいでしょう。また治療を行った産婦人科医院などでも斡旋してくれることがあります。
寺院で水子供養する場合。寺院で読経をあげてもらうことで水子の供養を行います。水子の供養では四十九日などの法要は行いませんが、位牌などを作ってもらえば、その後も自宅で供養をし続けることはできます。また仏教ではお地蔵様が水子の魂を極楽へと導いてくれるという考え方により、水子地蔵へ手を合わせることも水子の供養となります。
神社で水子供養する場合、神道では水子供養をするという考え方はなかったため、現在でも水子供養を取り扱っている神社はそう多くはありません。安産や子育ての神様が祀られている神社では比較的行っているところがあるようです。
神式のいわゆる位牌の役割である霊璽(れいじ)を作ってもらい、神社で祝詞をあげてもらいます。そしてその霊璽を自宅の神棚へとお祀りした後、自宅での供養を続けます。そのため自宅に神棚があることが必須となりますので、神社で水子供養をしてもらう際には注意が必要となります。
水子供養の費用は、その寺院や神社によってさまざまです。また用意するものなどによっても費用は大きく違ってきます。ただ、通常、読経や祝詞をあげてもらうのみの供養であれば、1万円前後が相場と考えていいでしょう。支払方法は、お布施という形式が多いようです。
水子供養の豆知識:水子供養をしなければたたられるのか?
時々、水子の供養をちゃんとしておかなければたたられるという人がいますが、本当にそうなのでしょうか?
実は仏教も神道も、生まれてくることができなかった胎児の魂に対しての見解は同じで、どちらも水子の魂は世間に触れていないまま亡くなってしまったということで、果てしなく清らかであるとしているのです。何の穢れに触れることなく天に召されたわけですから、誰かを恨むという煩悩などあるはずがないのです。
この上なく清らかな魂は、あの世で必ず幸せになることは保証されているので、安心して送り出してあげましょう。