仏壇とは?
仏像を安置するための壇のことを言います。仏像を載せるための須弥壇も広義では仏壇ということになります。しかし一般的には、寺院や一般家庭に設置されている仏像や位牌を安置し祀るための厨子のことを仏壇と理解されています。
仏壇という考え方が誕生したのは、日本書紀の記述によると685年の天武天皇の命によってとされています。このことがきっかけとなり、もともとあった土着的な祖霊信仰と結合しながら、先祖の魂を供養するための祭壇として、各地で造られていく内に徐々に民間にも広まっていきました。
仏像を安置するための段として、初めは寺院などの内陣に石壇や土壇や木壇を置き、その上に仏像を安置していました。中世の時代に入ると、須弥山という仏教の世界観を現した架空の山をかたどった須弥壇が主流となってきます。
その後武家などの間で、自宅の一室を宮殿や厨子を安置し礼拝するだけにとどまらず、別に棟を建て持仏堂が作られるようになりました。
現在、一般家庭に置かれている仏壇は、江戸時代に確立されたものであると言われています。
様式については宗教や宗派によって多少の違いはありますが、須弥壇に本尊を安置、その横に位牌を配置します。その周りを装飾するために、香炉や花瓶、燭台、鈴、大型なものであれば、掛軸を飾ったり、仏飯器や茶湯器、過去帳、高坏など様々なものを置きます。そして仏壇の前に経机、木魚を置きます。
仏壇の豆知識:本尊とはどのようにして決められるのか?
本尊というのは、仏壇に祀られている仏様、菩薩、曼荼羅のことをいいます。お祀りをする本尊が仏教の祖であるお釈迦様だけでないのは、日本に伝来した大乗仏教という仏教の考え方によるものだからです。大乗仏教には多数の仏様をお祈りするという考え方がありました。その後、僧侶が修行していく中で様々な宗派が生まれ、信仰するものが別れていきました。そしてその新しく生まれた宗派によって本尊も選ばれていったのです。
宗派別の本尊は、浄土宗・浄土真宗は阿弥陀如来。真言宗は大日如来、またはその他の様々な如来、菩薩なども本尊として祀られることもあります。曹洞宗・臨済宗は釈迦如来を本尊としています。
また四国の霊場八十八ヶ所の寺院では、多くが真言宗となっていますが、大日如来を祀っているところは6ヶ所のみとなっています。(大日寺(4番)(28番)、仏木寺(42番)、横峰寺(60番)、香園寺(61番)、曼荼羅寺(72番))