遺品整理とは?
葬儀を終えてからとりかかる作業として、遺品整理があります。
遺品整理は、遺品(故人の残した品)を整理・仕分けし、遺族で分け合ったり処分したりすることをいいます。
故人の家・部屋には、遺族が形見分けとして残しておきたい思い出の品や、現金や証券、骨董品など遺族が相続する財産(相続財産)となるものなど、様々なものが残されていると思いますが、これらの遺品を、ずっとそのままにしておくわけにはいきません。
特に相続財産は、遺産分割協議など相続の手続きを進めるために確定させる必要があるものですし、故人が住んでいたのが賃貸住宅であれば、貸主に明け渡さなければなりませんから、葬儀が終わったらすぐにでも遺品整理をしなければなりません。
とはいえ、家族がなくなったばかりで気持ちの整理がついていないのに、たくさんの遺品を整理していくのは大変だと思います。そこで、最近は遺品整理を業者に依頼するケースが増えているようです。
遺品整理は、いわゆる便利屋や清掃業者にも依頼することもできますが、多くは遺品整理の専門業者に依頼されています。
遺品整理に関しては、特に法整備もされておらず、国が定めるガイドラインなどもないのが現状で、遺族に無断で遺品を売却するといったトラブルも起きているようです。そこで、業界団体によって「遺品整理士」という民間資格が設けられ、業界の健全化が図られています。トラブルを避けるためには、この資格を持っているかといった点も業者を選ぶ際のポイントになると思います。
遺品整理の専門業者に遺品整理を依頼するメリットは、家族や親族が亡くなって心が疲れきっている状態で体力的・精神的な負担が生じるのを避けられる点だと思います。
家族を亡くしたばかりの時期は、故人の思い出の品や生前愛用していた品などに触れるだけで辛い気持ちになってしまうこともあると思います。そのような状態で遺品の整理や不要品の処分などの作業をするのは、想像以上に大変なことです。
専門業者であれば遺品整理のノウハウも持っていますので、スムーズに作業を進められ、体力的・精神的な負担を軽減し、時間も節約することができます。
遺品整理の豆知識:遺品整理の前に遺言書を確認
遺品整理を始める前には、故人の遺言の有無と、遺言が残されている場合にはその内容の確認が重要になります。
遺言書には、遺品を誰に形見として残すか、遺品をどのように処分するかといった故人の意思が記されている場合もあります。その場合には、遺品整理は遺言書に書かれている故人の意思にしたがって進めていくことになりますので、まずは遺言書が残されていないかを確かめることが必要です。
遺言書があることが分かっている場合にはその内容を確認します(家庭裁判所で「検認」という手続きが必要となります。)。遺言書が残されているのかはっきりしない場合も、まずは遺品整理を始める前に遺言書がないか、故人の部屋の中を確認しておくべきでしょう。