当日返し 即日返しとは?
お通夜や告別式などのセレモニーの際に、香典を受け取ったお礼としてお返しする品物のことを言います。
通常、会葬者が来られた当日には、礼状を添えて返礼品を渡すのが一般的ではありますが、最近は四十九日の忌明け後に改めて行われていた香典返しについても、お通夜や告別式に一緒に行われるようになってきました。
そもそも香典返しというのは、四十九日の供養を行い、無事に忌明けすることが出来たというお知らせと、お香典をいただいた感謝の気持ちを込めて行われてきたものでした。
最近は全体的に全てが簡略化されている風潮となってきています。特に都心部あたりでは、暇もなく人とのコミュニケーションも薄れてきていることが象徴のように、できるだけ簡素化したものが好まれるようになってきました。
また都心部や地域によってはお香典の受取についても辞退する人が増えてきているという事情も背景にあるのは確かです。
当日返しでは、前もって準備しておかなければいけませんので、お香典の中身を確認してから、その人に合ったものをお返しするという訳にはいきません。事前に準備しておく相場としては、だいたい2,000円から3,000円程度の品物を用意するのが通常のようです。
お香典の金額や、今まで特別お世話をいただいた方に対しては、改めて忌明けに行うようにします。
当日返しは簡単で面倒がなくて良いことばかりのようにも感じますが、デメリットも多くあります。最近は市民権を得てきている当日返しの風習ですが、それは都心部の事情であり、地域によってはまだまだ理解のないところも多くあります。
そのような地域から来られた会葬者には、当日受け取った品物が香典返しとは気づかずに会葬御礼品と勘違いしてしまう場合もあります。催促してくれたりクレームをつけるなどの意思表示をしてくれるとまだいいのですが、勘違いされたままだと、これほど失礼なことはないわけです。
また後で、香典返しを送らないといけない特別な方がいたりすると、結局面倒だったり、当日返し分と後から用意する香典返し分とで、割高になってしまう可能性もあります。ですから手放しでいい手法だと喜ぶことはできませんね。
当日返し 即日返しの豆知識:そもそも香典にお返しは不要だった?
古く、貧しい農村部などでは、家族が亡くなることで、その生活は困窮を極めることが多くありました。その地域では、不慮の事故などで世帯主が亡くなった家族に対し、支援などの意味を込めて地域で守ったたと言います。香典はその頃はもっと実用的なもので賄っており、米や野菜などを備えました。そのため、香典返しなどの習慣はありませんでした。他の家族が同じ目に合えば、またみんなで助け合うのですから、必要がなかったと言っていいでしょう。地域のコミュニケーションの発達したこの頃、香典の本来の意味の暖かさに癒されます。