弔問 弔問客とは?
弔問とは、訃報を受けた際に遺族を訪ねてお悔やみを伝えることです。一般的には通夜や葬儀、告別式などで遺族の元を訪れることになりますが、都合が悪いなどで参列できない場合、後日線香をあげに尋ねることを弔問といい、弔問に訪れた客を弔問客といいます。
弔問の具体的な流れとしては、訃報を受けた際に挨拶をするのはもちろん、故人の名前、通夜や葬儀の日程、喪主は誰かを確認します。弔電などを送る時のために、忘れずに控えましょう。また宗派によって香典袋や書き方、葬儀の作法が異なるので、宗派の確認も必要です。
弔問の際、通夜や葬儀でなければ、服装は礼服でなくとも構いません。線香をあげるだけの場合には、余程ラフな格好でない限り普段着で大丈夫です。落ち着いた色のジャケットや無地のブラウスなど無難なものにすれば間違いないでしょう。アクセサリーは控えます。
身内を亡くした遺族の精神的・肉体的疲労は想像以上のものです。負担にならないよう、挨拶と滞在時間は手短にします。「重ね重ね」などといった忌み言葉は慎み、故人へのお悔みと遺族への気遣いを簡潔に述べるようにします。遺族への手土産は特に必要ありません。故人へお供えする菓子折り、花、果物などを持参します。葬儀に参列できなかった場合は香典も必要です。
遺族が弔問客を迎える際、特に決まりはありません。一般の来客と同じような対応で構わないでしょう。ただし急な弔問があったりするので、お茶や小分けにできるお菓子などは多めに用意した方がいいかも知れません。弔問客がスムーズに故人と向き合える気遣いとしても、また遺族の負担を減らす意味でも、早い段階で焼香などを促すと良いでしょう。また通夜や葬儀の際には弔問客を玄関などで見送る必要はありません。
地域により異なりますが、弔問客にも香典返しが必要です。名前などは控えておきましょう。
弔問・弔問客の豆知識:バラだけではない、弔問に向かない花
弔問の際に花を持参する場合、何がいいか悩むことはありませんか。最近ではあらかじめ仏事用に組まれたものが売られていたり、カタログなどでも簡単に注文できるようになりましたが、弔問の際には控えた方が無難な花もあります。
まずバラなどトゲのある花、鮮やかな色の花は避けましょう。仏教ではトゲのある花の他、つるを巻く植物、実のなるもの、枯れたものも嫌われます。これらは殺生をイメージさせる、縁起が良くないなど様々な説があります。実のなる植物は、お供えされたものは「あの世」で何倍にも増えると言われるため、向こうで増えたら大変だろうという思いがあるようです。さらに、生けにくいつる植物や、
扱う際に手指を傷つけるバラなどは、相手のことを考えても避けた方が賢明です。
また白いユリ、特に「カサブランカ」という品種のユリは、大ぶりで見栄えがすることから選ばれがちですが、これも注意が必要です。なぜならカサブランカを筆頭とする大ぶりの品種は、香りが強いものが多いためです。祭壇ならともかく、個人宅で飾るには香りがきついと感じる人もいます。さらに気をつけたいのがユリの花粉です。ユリの花粉は飛びやすく、花が開いてしまうと辺りに散らばるので掃除が大変です。しかも衣服などにつくと細かい花粉の粒子が繊維に食い込むので、洗っても落ちません。花屋ではあらかじめ花粉を取り除きますが、つぼみの状態では取ることができません。ですからユリを送る際には花粉にも気をつけましょう。