寺院墓地・境内墓地とは?
寺院が管理と運営を行う墓地のことで、お墓は本堂の境内に隣接されています。寺院墓地を持つことで、その寺院の檀家になります。檀家となれば、その後の初盆の法要のときなど、その他の家より優先してもらえ、全ての法要も管理していただけます。また、普段からお墓を管理してもらえる安心感や、永代供養の特権もあります。
最近では納骨や埋葬の方法も多岐に拡がりを見せ、寺院の墓地に納骨せず、他の埋葬の方法を選ぶケースも増えており、昔に比べ檀家となる家も減少の傾向にあります。また、檀家ではなくても、法要時にのみ近所のお寺のお坊さんを呼ぶという、檀家とはならない寺院との関係の家が増えてきています。
檀家とならない家が増えてきている理由として、そこにかかる費用という現代の人々が抱える大きな問題があります。入檀料は勿論のこと、墓石の購入、その後の維持費など決して少ない額ではなく、そこが霊園や納骨堂を選ぶ最大の理由であるといえます。
しかし、寺院の管理が行き届く墓地には、何より遺族が安心できるという最大のメリットがあるのも確かです。日頃から寺院の僧侶によるお世話が、その地に眠る故人を見守ってくれているかのように行き届いている場所。それが寺院墓地なのです。
寺院墓地・境内墓地の豆知識:神仏混合による寺離れ
最近の風潮として、宗教というものがお祭りのためだけに利用されている感があります。というより、祭典と宗教の関係さえも理解していない人が多いのでしょう。特に現在の日本では、自分の家系がどの宗教に属しているかも知らない人がいるのではないでしょうか。無宗教者だという人がいたとしても、ただそれは自分の家に伝わるものを知らないだけ、という人がほとんどであると考えられます。
ハロウィンがあり、クリスマスがあり、正月があり、お盆がありと、これらの行事をただのお祭りとして、仮装したり、聖なる夜だと騒いだり、神社に参拝したり、お寺にお参りしたりと、もはや何のための行事なのか、本来の意味が影を潜めています。恐らくこれも檀家が減少していることと関係していると考えられます。自分のご先祖様が眠る場所を知り、僧侶がいるお寺の境内にあるお墓に佇み目を閉じ、手を合わせることで、仏様の存在を感じることができ、自分が何者なのかを知ることに繋がるのです。
檀家であるご家庭でも、法要時以外で寺院墓地に赴く機会は年々減っているのだそうです。でも、いつ故人に会いに行っても良いのです。何かの節目、何かに立ち止まったとき、何かに迷ったとき、何か良い事があったとき、墓地に眠る故人に会いに行き静かに手を合わせてみてはいかがでしょう。