斎場・セレモニーホールとは?
斎場というのは、古くは神道における用語であり、祭祀といった儀式を執り行う場所のことを指していましたが、現代では一般的に仏式の葬儀を執り行うための、各自治体が運営する場所や施設のことを斎場と呼んでいます。
セレモニーホールというのは、葬儀社が所有する施設であり、これも葬儀を執り行うことを専門とした会館や式場のことで、典礼会館や葬儀会館・葬儀式場といった場所のことをいいます。
自宅葬といった、故人が亡くなられたご自宅で葬儀をあげていたのが一般的な時代から、近年では、こういった斎場・セレモニーホールを借りて葬儀の流れを執り行うことが主流となってきており、お通夜から葬儀、告別式、火葬までを行うことにできる施設も多くなっています。また、ご遺族のために、宿泊ができる場所の用意や、布団の貸し出しを行う施設もあるようです。
こういった、斎場・セレモニーホールを利用しての葬儀というのは、ご自宅での葬儀に比べ、ご遺族の負担を軽減し、プロによって葬儀自体を円滑に進行することができるという意味においても、自宅葬を行うことが減少し、斎場・セレモニーホールを利用しての葬儀が増加していくという傾向は、これからも大きくなっていくことでしょう。
斎場・セレモニーホールの豆知識:神道においての斎場
日本では、仏教が伝わる以前から神道という古き伝統をもつ宗教が存在しており、現代でこそ仏式の葬儀と同じように、一般の斎場・セレモニーホールを利用した、神道式の葬儀を執り行うケースもありますが、かつては野外や、葬儀のための建物を仮設したり、自宅などで葬儀を行ったりしていたりと、これら葬儀という儀式を行うための場所のことを斎場と呼んでいたのです。
また神道では、人間や動物の死というものは、不浄なことに触れることとされることから、神社を斎場として、葬儀などを執り行うことはありません。
日本に仏教が伝わり、定着してから現在に至るまでに、葬儀というものはほぼ仏式として執り行われるようになりましたが、神道の葬儀という神聖なる儀式を執り行うために用意された場所こそ、斎場なのであるという、この国に古より伝わってきた心が、今でも人々に根強く受け継がれているのです。
斎場・セレモニーホールとは、故人との最期のお別れをし、神道では家や家族を守る守護神として、仏教では極楽浄土への旅路を祈るための特別な場所だということです。