同じ屋根に下に住む家族でも、宗教または宗派が同じとは限りません。なぜなら、結婚すれば嫁ぎ先の信仰する宗教が違ったりするからです。また、兄弟でも人生の中で出会う宗教が違えば、そこから信仰が分かれることもあります。普段の生活では、それ程程気にすることがないでしょうが、葬儀となると話は別です。
宗教宗派が異なる場合の葬儀の5つのパターン
(1)亡くなった方の信仰する宗教で執り行い、お墓や供養もその宗教のやり方を尊重する方法。
(2)喪主の方が信仰する宗教で執り行い、お墓や供養もその宗教のやり方に委ねる方法。
(3)無宗教で葬儀を行い、お墓や供養は亡くなった方の宗教で弔う方法。
(4)葬儀を前半と後半に区切り、二つの宗教の葬儀を執り行う方法。
(5)通夜と告別式をそれぞれ違う宗教で執り行う方法。
最も大事なことは、一人で勝手に決めずに、みんなで相談すること
しかし、方法はどれにせよ大切なのは、ひとりで勝手に決めない事です。
人生に深く関わる宗教ですから、亡くなる以前にご本人から頼まれた、または聞いた話しを思い出したり、家族や親戚などともよく話し合って決めなければなりません。でなければ、今後法要などの集まりがある際に、葬儀の時のわだかまりが遺族の間にしこりとなって残ってしまう場合があるからです。
最終的な決定は喪主の方がすべきですが、出来る限り話し合いで決める事をお勧めします。
ベストな方法は、生前から話し合っておくこと。
もし可能であれば家族が皆元気なうちに、それぞれの宗教や宗派について話し合っておくのがベターです。ただ、違う宗教の話は、少ししづらいかもしれません。そんな時は、それぞれにエンディングノートを用意して、出来るだけ細かく書いておいてもらうと良いでしょう。
エンディングノートは何度も書き直しができますので、ご自身の気持ちや状況が変わったら書き直し、万が一最期の日が来ても、ご自身が満足できる葬儀であるよう準備しておけば困らないのです。
但し注意点は、エンディングノートには法的拘束力は無いので、あくまで個人の希望を書き込むノートである事をお忘れなく。
葬儀社に生前の相談をしておくこともおすすめ
そもそも、ご自身の宗教や宗派に合った葬儀が、どの葬儀会社でもできるとは限りませんので、事前に葬儀会社へ生前サポートをお願いしておくのも一つの案です。
更に、葬儀を執り行った宗教や宗派と、お墓を管理するお寺や霊園の供養の仕方が違うと、お葬式をやり直さなくてはならなくなったり、戒名を変えなくてはならないなど、金銭面でも精神面でも大変になってしまうので、よく考えてから決断をするのが良いでしょう。
なんにせよ、先ずは亡くなった方に敬意をはらい、後悔を残さない葬儀にしましょう。