残された家族が亡くなった方の遺品整理をするのは、想像以上に大変な作業です。高齢の方は、「もったいない」と、簡単にものを捨てられない人が多く、大量の不用品を処分するためにかなりの費用がかかってしまいます。極端な例ですが、別居で長い間行き来していない故人の遺品整理に行ってみたら、家がゴミ屋敷のようになっていたというケースもあるのです。
遺品整理は家族の時間とお金を奪うもの
「遺品整理で大変な思いをした」という人は多いです。特に、故人が高齢の場合は、家に不要なものが多い傾向があります。「まだ使えるのにもったいない」「もしかしたらいつか使うかもしれない」とものを容易に捨てられない人が多いのです。そのため、家に物があふれかえっており、遺品整理をする前に部屋の掃除で手間取るケースもよくあります。
不用品も、小さなものであれば通常のごみ回収で出すことができますが、大型の家具や家電の場合、専門の業者に頼むことになります。「なぜか冷蔵庫が2つあった」「一人暮らしなのに箪笥が3つもあった」という例もあり、処分費用が思った以上にかかる場合もあります。
また、遺品整理は、ただものを片付けるのとは違って、亡くなった人の思い出の品を整理しますので、処分に困るものが出てくることもあります。捨てていいものかどうか悩んで、作業がなかなか進まず、遺品整理に何日もかかってしまう場合もあります。
このように、遺品整理は残された家族にとって大変な作業です。生前から少しずつ整理しておくことで、家族への負担を減らすことができるでしょう。
そもそも生前整理は自分のためでもある
「家族に負担をかけないように」と考えると、生前整理にマイナスのイメージを持つかもしれません。しかし、生前整理は、現在の自分の生活を見直すチャンスでもあります。「もったいないから」という理由で捨てられないものが、いつまでも使わないまま放置されているのであれば、それはただのガラクタです。不要なものであふれた家は、躓いて転んでしまう危険性があり、また精神衛生上もよくありません。
生前整理をするためには、それなりの体力が必要です。ですので、体調が悪くなったり、体が思うように動かなくなると、整理したくてもできなくなってしまいます。残された日を気持ちよく暮らすために、できるだけ早いうちから不用品の整理はしておいたほうがいいでしょう。
断捨離で生前整理するときのコツ
断捨離は、「物への執着を捨てて不要なものを捨てる・不要なものを家に入れない」ということです。断捨離で生前整理する場合、「捨てる」ことがメインになると思うかもしれませんが、捨てることにフォーカスしすぎると、「自分は今までゴミの中で生活していたのか」とネガティブな気持ちになってしまいます。「残したいもの」を選び、それ以外を処分するという選択の仕方をするのが、断捨離をするときのコツです。
断捨離をする順番は、整理しやすいものから始めると作業が進みやすく、一番初めに洋服から始めるのがおすすめです。古くなったものや、サイズが合わないものなど、「いつか着られるかもしれない」としまい込んである洋服は捨てるか人にあげてしまいましょう。次は本や書類の整理がやりやすいでしょう。読み終わった本はリサイクルショップに売れば、お金になります。また、アクセサリーや高級な食器などもリサイクルショップで高く売れる場合があるので、使っていないものがあるなら買い取ってもらいましょう。思い出の品は最後に整理します。思い出の品については、取っておきたいと思うのが心情でしょう。捨てたくないものは、無理をして捨てる必要はありません。
まとめ
「ものを捨てることに抵抗がある」という人は、自分一人で生前整理をするのは難しいかもしれません。その場合は、家族や親しい人にお手伝いをお願いしてみるといいと思います。遺品整理の時に一気に作業することを考えれば、一緒に少しずつ整理したほうが効率的ですし、遺族も罪悪感が残らないでしょう。自分のこれからの人生をよりよく生きるために、断捨離をして生前整理しておくことをおすすめします。