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失踪宣告をし法律上「死亡」と認定され、遺体がない中で行う葬儀について

個人的に気になっていた。ある人が突然消息を絶ち、何年も「行方不明者」として扱われ、そのまま何十年も経った場合、いずれ家族も諦めるだろう。つまりもう死んだものとして、完全に彼の存在を葬ることになるはずだ。その場合も葬儀は必要なのか、空の棺を燃やすことになるのかと。


行方不明者を放置すると…

心情的なものを抜きにすれば、行方不明者を長年放置して起きる問題は多々ある。

戸籍や相続など、生死が分からなければ法律関係の手続きもできない。以前に、所在不明のまま戸籍が残されていたため、記録上では150歳以上の高齢者の存在が数百人単位で発覚した問題があったが、こういったトラブルも起きてくる。ちなみに平均寿命は戸籍をもとにデータを集めるのではなく、年齢別の統計人口と死亡率から算出する。役所も死亡届の受理がなければ戸籍の変更はできないのだ。


失踪宣告をすると、法律上死んだとみなされる

とは言っても、実際に生死が分からないのに死亡届は出せるのだろうか。本来死亡届には医師または歯科医師による死亡診断書もしくは死体検案書が必要になる。自然死にしろ災害や犯罪などによる変死にしろ、死因を特定するためには遺体の存在が必要なのだが、当の「本人」は行方知れずだ。

この場合は民法による「失踪宣告」という手続きを行う。行方不明者がその消息を絶ってから7年間生死が確認できないとき、家庭裁判所に申し立てをして認定されれば死亡したものとみなされる。ただ、失踪宣告の効力はあくまで相続や婚姻などの法律上の手続きに対してのものだ。待つだけの日々に区切りをつけるためにも、生死が確認できないまま、遺体や遺骨がない状態で葬儀を行うケースは多いものである。


知人から聞いた話

知人から聞いた話だ。山奥にある、とある施設から入所者が失踪した。発覚後すぐに職員や警察などが捜索したが見つからず、当時の天候と入居者に身体障がいもあったことから、生存が絶望的になってきた。彼の生死が分からないまま20年ほど経ったある時、彼の家族が身体に異変を感じたという。

失踪した彼の話をしようとすると、喉が詰まり息苦しいなどの症状が出てきたのだ。ストレスのせいと思っていたようだが徐々に違和感が確信に変わったという。彼はもうこの世にいないのだと。早く気づいて、安心させて欲しい。肉体を持たない彼が全身で訴えていたのだ。


最後に…

そこで失踪者の家族は、ようやく葬儀を行ったという。遺体がないため形だけの葬儀ではあったが、家族はそれでも「やっと戻ってきた」ような気がしたらしい。身体的な症状が出ていた者も葬儀を境に具合が良くなったという。

なんとも不思議な話だが、葬儀本来の目的の一つは遺族の心に区切りをつけることでもある。火葬がないため、仮葬儀として空の棺を燃やすようなことはなかったようだが、「何かが戻ってきた」という気がしたらしい。その何かとは、分かるようでわからない。


ライター鈴木 柊
逃げる自由

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