臨終の場になる可能性が圧倒的に高い病院。そんな病院には、ある特定の契約を交わした葬儀社が24時間365日、駐車場で車中待機をしている。ちなみに病院と葬儀社が交わしている具体的な契約内容は、亡くなった方がでた場合に、病室などから霊安室にお連れすることなどが盛り込まれている。
恐らく多くの人が霊安室にお連れするのは病院のスタッフだと思いこんでいるだろうが、実は葬儀社のスタッフだったのだ。そして葬儀社はその業務を請け負うことを条件に、そのご遺族に、葬儀社として自由に営業が認められているのだ。
「既に決まっている葬儀社があるので」、「知人に葬儀社に勤めておりそこに頼むので」
大切な人を亡くした直後、突然葬儀の営業を受けても、冷静に対処できるとは考えづらい。当然葬儀社もそのような状態であることをある程度計算にいれて営業するわけだが、これは受けなければならないということは一切ない。
「既に葬儀社は決まっているので必要ありません」や「知人が働いている葬儀社にお願いしようと思っているので…」など、いくらでも断りようはある。
それでも強引だった場合は病院にクレームを出そう
しかし葬儀社もあの手この手を尽くしてくる。具体的には「病院の霊安室は長時間使えないので、まずは別の安置施設にお連れしましょう」などが代表的だ。
この場合、他の安置施設にお連れすることができれば、そのあと遺族もその葬儀社と打ち合わせをせざるを得なくなるため、葬儀社の思う壺だ。
断っているにも関わらずこのような強引な方法に出てきた場合は、病院側にクレームとして報告すると良い。葬儀社はあくまでも病院の下請け業者であるため、クレームなどを出してしまうと、病院から一方的に契約をきられる可能性があるからだ。
最も重要な事は、事前に複数の葬儀社を比較しておくこと
ただし病院指定の葬儀社が全てダメだということではない。
最も重要な事は亡くなってから、葬儀社を探すのではなく、事前に調べておき、その調べておいた葬儀社と比較して、決めることだろう。
事前に調べておくことで、葬儀に何を求めているのかが明確になるはずだ。それはサービス内容なのか、葬儀費用なのか、あるいは葬儀社としての規模なのか。
きっと家族だけでなく、故人としても希望している葬儀のイメージがあるだろう。そこを家族で話し合うことがまずは大事なことかもしれない。