日本全国で見守りサポートに取り組んでいるALSOKで、実際に見守りサービスに携わっていらっしゃる長崎由さんと板東沙希さんにお話を伺って来ました。
「見守りサービスの事業はいつ、どんなきっかけで始められたのでしょうか」
長崎さん
「私どもはお客様の様々な場面でお役に立つべく、HOME ALSOK(ホームアルソック)というブランドを展開しているのですが、その柱の一つとして、高齢者の日頃の生活をサポートして行こうと言うことで2013年の9月から『HOME ALSOKみまもりサポート』の販売を開始しました」
「今現在、HOME ALSOKみまもりサポートをご利用されていらっしゃる方は全国にどのくらいいらっしゃるのでしょうか」
長崎さん
「地域の自治体と連携してサポートしている方だけでも約1万人はいらっしゃいます。弊社が自治体から要請されて、高齢者のご自宅を訪問するケースも多いのが実情です。現場では全国約2400か所の待機場所に配置されているガードマンが一次対応に当たっています」
「HOME ALSOKみまもりサポートという事業の概要についてお聞かせください」
板東さん
「一口に見守りと言っても高齢者の方の健康状態やプライバシーの問題という観点からいくつかの種類があります。一つ目は急な体調不良の際など、高齢者自身が手助けを求める場合、機械のボタンを押しさえすれば、いつでもALSOKの人間が駆けつける『緊急通報』があります。
トイレの扉にトイレの開け閉めを感知するセンサーを取り付けさせていただき、トイレの開け閉めが一日中確認されなかった場合は、家の中で高齢者の方が倒れていらっしゃる恐れがあるとして駆けつける『ライフリズム監視』があります。駆けつけた隊員はお預かりしている鍵でドアを開けて、家の中まで確認することが出来ます。場合によっては救急車の手配もしています」
「見守りサービスを利用されている方が御社に鍵を預けていらっしゃるんですね」
板東さん
「弊社は警備会社ですから、お客様からも信頼されていて、鍵を預けたいというご要望のお客様が多いです。いざという時に、鍵を預かっていなければ、窓ガラスを割って、家の中に入らなければなりません。また、実際の需要として、都心では高層マンションに住まわれている高齢者の方が多いのですが、オートロックのマンションが普及していて、いざという時に救急隊員が建物に入れない場合も想定できるため、ご利用者のニーズも高いです。
最後にレスリング選手の吉田沙保里さんに弊社のコマーシャルで宣伝していただいている、見守り情報配信サービスがあります。元々は防犯のために使っていた人の動きを感知するセンサーを利用して、高齢者の方の動作を感知して情報を発信するサービスです。もし、一定時間ごと、もしくはセンサーの動作により異常と判定した場合、離れて暮らしているご家族などのメールアドレスに情報が送られるシステムになっています。このシステムではご家族の方が高齢者の動作を見守っている訳ですが、よりプライバシーの問題に配慮した手軽なサービスと言えるでしょう」
「実際の業務を通じてやりがいを感じられる時は、どんな時ですか」
板東さん
「特に暑い時期や寒い時期には救急車での搬送が多くなるのですが、その際に、アルソックの機械を取り付けていたおかげで、救急車の手配がスムーズだったり、また鍵を預けていたおかげですぐに救急隊員が家の中まで駆けつけてくれたと言った事例も多く、ご利用者の方から感謝の言葉をいただいた時には、この仕事をしていて本当に良かったと思います」
「今後の見守りサービスの展開やビジョンについてお聞かせください」
長崎さん
「ALSOKは日本全国での見守りサービスを展開させていただいていますが、サービスをご提供する中で、地域の自治体や企業との連携がこれまで以上に密になることが必要になると思っています。
民生委員の方の絶対数も不足しているのが現状です。新聞配達員やヤクルトの配達員など、日常で高齢者と接する仕事をしていらっしゃる方との横の繋がりや情報の共有も不可欠になって来るでしょう。
高齢化は今後ますます深刻化して行きますから、そういう意味合いからも横の繋がりが重要になって来ると思います。自治体は勿論、企業もより積極的に地域での見守りサービスを拡充していかなければならないでしょう。地域でのコミュニティーのネットワークがしっかりとした形になってくれば、もっと多様なサービスに取り組んで行くことが出来ると考えています。
実際に孤独死されているケースにもこれまでに遭遇しました。自治体によってはそういった方に対応する費用の捻出が出来ていないところもあるのが実情で、私たちがご提供するサービスは安価でご導入いただけるためご好評をいただいています。今後もこのサービスを活用して地域での見守りに役立つことが出来ればと思っています」