赤ちゃんや幼い子どもを葬儀に出席させるべきか否かについて、「お葬式に小さな子どもを連れていくと、一緒に連れていかれてしまうことや霊がつくことがある」という理由で止められることがある。
これは恐らく迷信的な意味が強く、避けた方がよい行動に対して説得力を持たせるための、昔の慣習のように思われる。
子どもを葬儀に参列させるべきじゃない理由
小さな子どもを葬儀に連れていくことがあまり推奨されない理由としては、小さな子どもには葬儀の意味が十分に理解できないことが挙げられる。
夜の時間帯に、長時間静かな場所にいて、故人を悼む空気を作ることは難しい。赤ちゃんはぐずったり泣き出す可能性があり、幼児は逆に騒いでしまうことがある。
しかし、祖父母などの身近な親戚や、子どもの友達の葬儀には参列した方がよいであろう。
言い聞かせてもダメならおもちゃやお菓子、ゲームで静かにさせよう!
では、周囲に迷惑をかけないように子どもを参列させるには、どうしたらよいのだろうか。
まず、葬儀に参列する前に、できる限り葬儀について子どもに言い聞かせて置くことが必要だ。故人との別れを悼む場であり、長時間静かに座っていて、話を聞いていることが求められる。意味までは分からなくとも、騒いではいけない、ということは伝えておく必要がある。
それでも子どもたちは騒いでしまうことがあるため、保護者側の工夫も必要だ。
おもちゃやお菓子、ゲームなどを与えることで、静かに長時間座っている状態を飽きさせないようにすることもよい方法だ。
また、出入り口付近の席に座らせてもらい、どうしても子どもが落ち着かないときには、すぐに退席や休憩などができるようにしておくこともできる。退席は失礼だと感じる人も多いが、葬儀の場で騒がしくしてるよりも、退席する方が周囲への気遣いとなることもある。
喪主に事前に話しておくことも重要
さらに、事前に喪主に相談しておくことは必要だろう。子どもが騒ぐことで周囲から冷ややかな目で見られることも多くあり、子どもへの対応に追われ、葬儀の手伝いには手が回らないことが想定される。また、退席する可能性のあることなども伝えておいた方が失礼にならない。
私も五歳の頃、母方の祖父の葬儀に出席したことがある。しかし、私の記憶の中に残っているのは、父に連れ出されて星を見ていたことだけだ。そのときの私は大泣きしていたように思う。母方の親族の葬儀のなかで幼かった私が邪魔にならないように、父は適切な対応をしてくれていたのだろう。
大切な人との別れの場を経験させたいという思い
子連れで葬儀に出席することは、子どもの状態や周囲の目など、対処の難しいこともたくさんあるだろう。
それでも、大切な人との別れを惜しむ儀式にぜひ参列させたい、という思いも年長者の思いにも共感できる。
子どもを葬儀に出席させることにするのなら、喪主へ相談した上で、十分な対応ができるようにしてゆくべきだろう。