月に一度のペースで墓参りをするようになって5年が経つが、私は未だに線香の束に火をつけるのが苦手である。
意外に難しい線香の束への着火
最初の頃は墓参りに行く度に前回の線香が燃え残っていることが多く、全て灰になっているのを見ると今でもガッツポーズをしたくなる。
墓参りの際は仏壇に手を合わせる時とは違って束になっている線香に一度に火をつける。その一本一本全てに火をつけて最後まで灰にするというのは、慣れていない者がやると案外難しい。
そんな中で、私がこれまでに試してみた方法を紹介したいと思う。
マッチ
論外。多くても3本程度の線香に火をつけただけで燃え尽きる。やってみたことはないが一箱全てのマッチを使っても無理だと思う。
ライター
マッチよりはマシな気もするがこれも論外。火をつけている間はライターのスイッチ部分を押したままにせねばならず、力がいるし何度もやっているうちにスイッチ部分が壊れてしまう。ジッポライターなら可能かもしれない。
チャッカマン的なもの
アウトドアや花火の時に使用する、柄のながい着火剤。チャッカマンが最も有名だが類似商品を100円ショップで購入出来る。
ライターと同様スイッチを押したままにせねばならないが、ライターと比べると壊れにくい。
※ライターとチャッカマンににはプラスチック製の風除けカバーというものがあり、仏具を扱っている店で見掛けることが多い。これがあるとないでは雲泥の差で実用性が高いが、スイッチを押し続けなければならない苦労は変わらない。
ポケットティッシュ
霊園なら蓋のない側溝、寺なら自分の家の墓の区画内に火鉢を置くなどして、大きな火を起こせる場所でポケットティッシュをマッチやライターなどで燃やしてその炎を利用する。
花束を包んでいる紙等でも良いのだが、炎の持ちが良くて手軽に持って来られる物として未使用のポケットティッシュ一袋が最適。両手が使え、炎が大きいので線香の束を広げて火をつけることが出来る。但し燃え尽きるまでのタイムリミットがある。使用後の火の始末と燃えカスの片付けは忘れずに。
蝋燭
細い物でも蝋を墓石の台座に垂らした上に置けば安定感があり、両手を使って時間を掛けてゆっくり火をつけることが出来る。
私は自宅で余らせていた貰い物のアロマキャンドルを活用出来る機会として、霊園内に一時的にアロマの香りを漂わせるのが習慣となっている。
小さなグラスに入っているタイプなら風除けにもなる。台座に付いた蝋は乾いてから雑巾等で綺麗に拭き取ることが出来る。線香を近付け過ぎると火が消えてしまうので注意。
色々試した結果…
いろいろと試した結果、私は蝋燭を使う方法に落ち着いた。
しかし親戚と一緒に墓参りに行った際、慣れた手付きで側溝でポケットティッシュを燃やして火の付いた線香を同行者に配る姿に憧れを抱くこともある。いかにも慣れている感じが何となくカッコいいのだ。
墓参り5年生の今は蝋燭でゆっくり火をつけているが、10年生になるまでにはポケットティッシュを燃やした炎でササッと全ての線香に火をつけられるようになりたいと思っている。