冠婚葬祭と一口に言われるが、『葬』は他の『冠婚祭』とおおきな違いがある。
それは原則的に突然自分の身にふりかかって来ることだ。
したがって他の『冠婚祭』との同時進が起こりうることになる。厳密に言うと『葬葬』の組み合わせもあり得る。
突然、明後日に控えた結婚式に来て欲しいと頼んできた友人
数年前に筆者が体験した実話をお話する。
女友達から突然の電話がかかって来た。「大変急な話で申し訳ないが、明後日の私の結婚披露宴に出席をしてほしい」というのが電話の内容だった。
古くからの友人である彼女は、交際相手の男性とすでに入籍済みであり、近々披露宴を行う予定であることを、わたしはすでに知っていた。そして相手の男性が結婚二回目ということもあって、披露宴もごくごく身内だけの小規模で行う予定であることも聞いていたのだ。
祖父が亡くなり、葬儀と結婚式で担当を分けることに
そこで今回の急な電話による披露宴への出席依頼の訳を尋ねると、大変元気だった彼女の祖父が急に亡くなったことがわかった。
そこで皆さん色々といそがしい中、彼女の主だった親族たちが緊急に協議をしたようだ。その結果、いわば担当を葬儀と披露宴とに分けることになったらしい。
しかしそれでは、参列者がもともと絞られている小規模の披露宴が新婦側の欠席でさびしいものになってしまう。それを補うために、急遽私たち友人に披露宴への出席依頼のお声がかかったというのが事の次第である。
葬儀は、事前に出来る限りのことを準備しておくことがいいでしょう
つまり『葬』と『婚』の同時進行ということだ。関係者の方々へはご苦労様としか言いようがない。まさか元気な近親者の「万が一」については、気持ちのうえではでは多少考慮をすることもあろうが、それを行事日程へ具体的に反映させることは、なかなかできるものではない。まして『婚』ともなればなおさらだ。
だがこのようなことは、『冠婚葬祭』に限らず、例えば急な海外赴任などでもあてはまる。だから、特に身内の葬儀については自分にとっての必要最小限の形態を調べて準備しておくことが大切なのかもしれない。