病院で「ご臨終」という場面に立ち会われた人はよくお分かりかと思いますが、救命しようとしていた方が息を引き取った瞬間から、ガラリと管轄が違ってくるものです。
周囲を取り巻くスタッフも、医者、看護師などの白衣医療系から、葬儀社の人に変わっていきます。
亡くなった瞬間から、荼毘にふすまでのすべてを葬儀社が引き継ぐ
葬儀社の人は、病院スタッフとは全然雰囲気が違いますね。
院内では目立たないようにと白衣を羽織っていたとしても、出しているオーラあるいは物腰のようなものが全く違うので、筆者は二度ほどそういう場面に立ち会ったのですが、どちらの場合も一瞥してすぐわかりました。
葬儀費用も徐々に明瞭化され、サービスが均一化していくと、あとは「人」次第!
葬儀にはさまざまな段取りと手配があります。
ご遺体になった瞬間から、どうやって運ぶか、どこへ運んでいつまでにどうするのか、法律関係の手続きはどうするのか、預金や遺言、相続は? などとクリアしていかねばならぬ問題が続々と沸いてきます。
最近は葬儀もバリエーションが豊富になり、かつ、低価格な家族葬を選ぶ方が増えていると聞きます。どの葬儀社を選んだとしても費用にそこまで差が出ることは徐々になくなりつつ有ります。しかしそういった傾向が強くなったとしても、遺族が葬儀に関わることを全て自力で執り行うというのは、かなりのレアケースではないでしょうか。人生の総決算ですから、葬儀に関わる諸問題のあれこれが幅広くかつ深いのは当然といえます。
人の良し悪しを見極める一つの基準 「葬祭ディレクター資格保持者かどうか」
葬儀社には、厚生労働省が認定する「葬祭ディレクター」という資格を持った人が在籍する場合が多いです。
葬儀スタッフに資格取得の義務はありませんが、葬祭ディレクター1級は社葬が任せられるノウハウがある方、2級は個人葬が任せられる方というような、ざっくりとした認識があるようです。
この資格試験は学科と実技があり、学科では宗教、法律、行政手続き、公衆衛生などの知識の有無をチェック、実技では葬儀会場設営、接客、司会進行のスキルの確認もされるそうです。葬儀スタッフはお悔やみを示す美しいマナーと遺族・参列者への細かい配慮が要求される立場ですから、様々な宗派や地域性がある中で、資格試験があるのは、スタンダードが確率されているという意味でも、信頼基準ではあると思います。
葬儀の良し悪しは、担当者との相性で全てが決まる!
遺族は、葬儀社の人と接することで、大切な人を喪ったショックに耐え、通夜告別式を故人のために盛り上げていこうという気持ちになっていきます。悲しみに寄り添うグリーフケアをしてもらいつつ、やるべきことを的確に教えていただけるというのは、大変ありがたいことではないでしょうか。
葬儀の仕事は、休みの日が読めませんし、体を動かしつつの心遣いが隅々まで要求される究極のサービス業ですので、ハードな面も多いと思います。黒子に徹して、静かに動き回っているスタッフを見ていると、頭が下がる思いがします。よい葬儀に出会うと、知識や資格に加えて、担当者の人柄による部分も大きいのではないかと推察します。よい仕事というのは、何事もマンパワーなのですよね。