毎年、8月にはお盆休みといわれる大型の連休がある。休みの取り方に工夫がされてきたとはいえ、まだまだゴールデンウィークやお盆、正月のお休み期間は、各種交通機関や高速道路の混雑は大変なものである。さて、今回は大型連休の話ではなく、お盆にまつわる話をしたいと思う。お盆になると帰省ラッシュと言われるようにそれぞれのご家庭の実家とか田舎といわれる場所に今でも多くの方が帰省されている。孫からいうと「おじいちゃんおばあちゃんのところへ行く」となる。そのような時に必ず入っている行事の一つがお墓参りとなるのだろう。
お墓にまつわることの現状
個人的なことを言えば、私も妻も現在住んでいる地にそれぞれの両親がいるので、帰省する場所やいわゆる「田舎に帰る」というところもなく、両家のお墓も家からも近いところにある。そのことで不便を感じたことや悩みを持ったことはない。しかし、お墓にまつわる悩みを持った人は、意外に多いと聞いた。
全国石製品協同組合が2016年3月に実施した「お墓の購入やお墓の引っ越しを検討している方へのアンケート調査」によると以下のような結果だったという。調査は、「お墓を所有している方の悩みごと」と「お墓について一番相談したいこと」について大きく2つの項目について聞かれている。
ここで、細かい紹介まではできないが、「お墓を所有している方の悩みごと」では、1位「お墓の継承者がいない」33%。2位「お墓の手入れが行き届かない」28%で1位と2位だけで全体の61%である。
また、「お墓について一番相談したいこと」では、1位が「霊園・寺院・墓地の紹介」29%、2位が「お墓の引っ越し(改葬)の相談」22%で、こちらも1位と2位で51%を占める結果が出ている。
改葬って簡単にできるの?
お墓についての悩みごとや相談したいことのアンケートをとることで、最近のお墓事情がうかがえたわけだが、お墓を持っている方の悩みごとである「お墓の継承者がいない」と「お墓の手入れが行き届かない」という問題が、結論として近いところへお墓を移すなどといった改葬という手段に時代の流れがあるように思う。しかし、改葬をするといってもいろいろと手間がかかるようである。いったん埋葬した遺骨を動かすのは法律で禁じられており、改装の手続きは、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)で定められている通り、墓地管理者や自治体で許可を取らなければならない。
改葬の費用ってどれくらいかかる
手続きも結構面倒だが、改葬の費用もそこそこかかるように聞く。それぞれのケースによるとは思うが、たとえば、今のお墓の墓地は更地にして返還するとか、その場合、原則永代使用料は戻ってこないなど。問題になるのが、お墓が寺の寺院墓地にあり、改葬をするにあたり檀家を離れる場合、「離檀料」と称し、100万円を超える高額な請求をする寺などもあると聞く。
事前に調べることが必要
冒頭であったアンケートによると、改葬を考える方が多いという結果が出ていたが、時間も手間も費用もそれなりにかかることのようだ。しかし、いまのお墓では、将来的に不具合が生じるのであれば、しっかりと情報を集め、それぞれのご家庭にとって最善の方法を取られることを念願したいと思う。