今回は日本の首都である東京の葬儀にまつわるマナーやしきたりについて綴っていきます。東京は江戸幕府の城下町として武士や職人が多く住み、規律のある正しい生活をしていました。関西に比べて東京人が真面目で寡黙なイメージがあるのはそのような理由があります。ほかの東京の特徴だと、人が多い、建物が多い、などが挙げられますが、これらの特徴は東京の葬儀の慣習に大きく影響を与えています。
では、その影響によってどんなしきたりやマナーがつくられたのでしょうか。紹介していきます。
死亡日から7日後に葬儀?!
東京では通夜を行うのが7日後になることがあります。これは公営や火葬場のある民営の式場の予約が一周間先まで埋まっていることがあるからです。人口の多い東京都ならではの問題ですね。遠方からくる親戚や知人などは驚くことが多々あるそうです。
ちなみにその一週間の間、故人は自宅に安置されるか、葬儀社が運営している安置施設や火葬場にある冷蔵保管庫などで安置されます。年末はさらに予約が殺到し、葬儀を行うのに10日かかってしまうこともあるそうです。
東京での葬儀は、通夜振る舞いを断るとマナー違反?
焼香にくる一般の参列者に通夜料理を振る舞う、「通夜振る舞い」が東京にはあります。焼香をし終えた参列者にオードブル、寿司、煮物やお酒などを振る舞います。これを遠慮することは大変失礼とされ、少しでも頂かなければなりません。食べることが供養になるとされているのです。一方、関西では遺族のみが食事をするので、東京の「通夜振る舞い」は真逆の風習と言えます。
公営よりも民営の火葬場が多いのは東京だけ!
東京都の火葬場は民営のものが他の都道府県と比べて、とても多いです。東京都にある9つある火葬場のなかで公営のものは2つだけしかありません。一般的には火葬場は自治体に運営されているので、東京都のこの状況は珍しいです。これは人口が多いために火葬場が不足するという問題が影響しています。自治体が新しく公営の火葬場を設けようとしても、土地や住民の反対などの様々な問題がでてきてしまい、民営に頼らざるを得ないのでしょう。
東京の多摩地方では逆さ臼という風習が残っています
少し限定的になりますが東京の多摩では「逆さ臼」というしきたりが存在します。
逆さまの臼に座り、清め塩をします。臼が無い時は、臼が描かれた半紙を逆さまにして普通の椅子に取り付けて「逆さ臼」の代わりとします。一説によると「この世にあなたの食べるものはもうありませんよ」という意味があるそうです。