ここ最近、お墓の引っ越しやお墓を閉じて永代供養に変えるなど「先祖代々のお墓を守る」と言う文化が薄れてきた様に思える。また離婚率の上昇や死後離婚・核家族化の増加など家族・夫婦のあり方の変化によりお墓や仏壇の継承が難しくなった。筆者もその一人である。
というのも先日、夫が相続により、お墓と仏壇を継承する事になってしまったのだ。そこで、これからのお墓・仏壇の継承と故人への供養について考察してみた。
仏壇ってリサイクルできるの?
今回筆者にとっての大きな問題は仏壇の継承についてだ。核家族化の進む現代では、家族と言っても広い家に住んでいるのは珍しく大きな仏壇は場所をとってしまったり、古いものだと家の雰囲気が暗くなりなかなか快く引き取るのは難しいのでは無いだろか。もちろん我が家もこれに含まれる。
そこで、ご先祖様には申し訳ないが、今の暮らしに合ったものに変えられないかと近所の仏具店に相談してみたところ「大切なのは亡くなった方の魂だから、仏壇そのもには重要ではないので引っ越した先の家に合う様に買い替える人もいる」との事だった。
また、もう一つ質問をしてみた。「仏壇の下取りなどはしてもらえるのか?」と。すると応えは「正直厳しいですね」との事。
新しく購入してもらえれば無料で引き取る事は可能だが、中古品の仏壇・仏具の需要はあまり無く、お金にならないので引き取った仏壇も処分するだけだと言うのだ。
リサイクルショップは引き取ってくれるが…
仏壇でお金儲けをするつもりは無いが、そうは言っても新しく購入するとなると安いものでは無い。
できれば少しでも新しく購入する仏壇の足しになれば・・・と考え、リサイクルショップへの引き取りを検討してみた。
リサイクルショップへ問合せをしてみると「魂抜き」が行われていて且つ、美術品・骨董品としての価値があれば引き取りも可能との事だった。
しかしながら、魂抜きにも2万〜3万円ほど費用がかり引き取ってもらっても数千円ほどにしかならない場合もあるので少しでもお金にしたいと思っている筆者には向かない方法だった。
新しいタイプの仏壇・仏具
少し前に万年筆やフリスクケースをデコレーションするのが流行ったが、最近の仏具にはデコレーションを施したものが販売されている。まるでアロマを焚く陶器の入れ物の様な姿をした、とてもポップで可愛い仏具だ。スワロフスキーでデコレーションされた仏具まである。
これならば、リビングにあってもインテリアとして自然に溶け込むことができる。家族団らんの場所に故人と一緒に過ごすことができ、来客にも気を使わせない。またA4サイズのコンパクトな仏壇も登場している。
夫と相談した結果、古い仏壇はお寺で魂抜きを行い、粗大ごみとして回収してもらった。そして、新しい仏壇はリビングのインテリアに溶け込む可愛い仏具を購入した。費用は総額15万円もかからなかった。
仏壇の買い替えについての注意点
今回、我が家は仏壇の買い替えについて成功したと言えるだろう。しかし、仏壇は先祖から受け継いできたもので、相続した人だけで、仏壇の行く末を決められるものでは無い。
兄弟、親戚の意向もある為、慎重に行動すべきだろう。我が家の買い替えが成功した背景としては、夫が一人っ子で、他に意見をする兄妹が居ない事と、夫の母は後妻だったこともあり、親戚付き合いが薄かった事がスムーズに事が進んだ理由に挙げられる。
もし相続などで仏壇を継承する事になってしまった方はこの事を踏まえて、是非ご自身にあった供養の仕方を考えてみてほしい。