最近ではテレビ番組などでお坊さんにまつわるエピソードを紹介する番組があり、お坊さんの生態については広く知られるようになってきた。なかでも、お坊さんになるには、仏教系の大学を卒業し実家を継ぐか、他のお寺へ「就職する」と言う事は多くの人が知っている事だろう。そこで、最近のお坊さんの「就活・収入・副業・転職」について調べてみた。
お坊さんの就職・転職事情
基本的には仏教系の大学を卒業し、必要な資格の取得と、宗派別に定められた修行をこなし、実家を継ぐ。これが一番シンプルな就職だ。
実家が寺院出ない場合や、他のお寺へ就職したい場合、様々な探し方があるが、実はハローワークや一般求人サイトにも求人がでている。
職業が「お坊さん・僧侶」などと出ているだけで応募方法などは一般企業とさほど変わらない。中には、「パート」や「紹介予定派遣」の求人などもある。
筆者が調べた求人でもっとも興味をそそられたのは「お坊さんとして外国人観光客へ英語でお寺の説明やガイドをする仕事」だ。もちろん、必須スキルとして英会話が記述されている。雇用形態はパートで週2日〜応相談と勤務時間が表記されていた。特に気になった点は宗派は問われていない点だ。
語学があれば宗派は関係ないと言うのはお寺もダイバーシティの時代がやってきたと言っていいだろう。
お坊さんの収入や副業
お坊さんの収入には大きく分けて2つの収入がある。
(1)一般的な給与
年齢にもよるが、求人票を見る限り15万円〜20万円/月が平均だと感じた。檀家さんの数によっては大きな収入を得ているお寺もあるようだが、近年は檀家の数も減り、かなり厳しいのが現実だ。
(2)副業による収入
近年、サラリーマンの副業は特に珍しいものではなくなったが、それはお坊さんも同様だ。むしろ、お坊さんの方が副業の歴史は古いと言う。土地貸しや駐車場収入、仏教系の幼稚園の運営などは以前から行われているが、昨今では現代らしい副業も人気の様だ。
たとば、寺院をカフェにして経営をするというオシャレなものから、アフィリエイトやYouTuberといったものまである。動画配信で説法が聞ける時代が来たわけだ。
女性の場合は?
女性の社会進出が国会でも取り上げられるほど重要な案件となっている昨今、多くの女性が仕事を持ちまた、大手企業では女性の役員比率を上げていこうと言う社会の流れの中、お坊さんの世界では女性住職の数は減少していると言う。
これは、女性の社会進出と大きく関係しているのではないだろうか。ひと昔前の出家する女性は夫に先立たれるか、離縁した女性が出家する事も多かったが、現代では、死別や離婚で出家する女性はほぼ居ない。だが、お葬式の際に女性住職を指名する客もいる為、職業としての需要はありそうだ。
他業種から、お坊さんへの転職は?
上記でも述べたが、一般的な就職は仏教系の大学を出てからの就職、つまりは「新卒」で入ることになるが他宗派からの転職もある。
この場合は、その宗派が指定するカリキュラム(修行)を経て、初めて転職の資格を得ることになる。高齢化が進む日本では「お坊さん」と言う職業は公務員よりも安定な仕事と言えるかもしれないが、みなさんはどのようにお考えだろうか。