韓国の葬儀は儀礼を重んじ、死者の弔いは非常に丁寧です。
葬儀はサミルチャンと呼ばれ3日間、昼夜を問わず行われます。お焼香の時も参拝者はクンジュルと呼ばれる韓国式の膝をつく深いお辞儀を遺影に向かい二度繰り返し、立って一度礼をし、遺族にもクンジュルをします。また出棺の際、女性たちは『アイゴー、アイゴー』と悲しみの声を上げ、死者への哀悼の意を体で表現するのです。
喪服は?
喪服を着るのは故人の8等親以内の親族で、それこそ親族あげて死者への哀悼を示すのです。男性の喪服は黒のスーツで日本と変わりがないように思います。ただ喪章を腕に巻くのが通例だそうで、そこは違っているかもしれません。また喪主は独特な帽子をかぶることもあるそうです。女性は黒のスーツか白いチマチョゴリを着るのです。
昔、韓国では男性も同じように白を着ていました。麻で作った白の(黒の場合もあるそうです)パジチョゴリ(韓国の男性服)に頭巾をかぶり、胸に麻布で作ったリボンをつけ、トュルマギという韓国風外套を身に付けていたそうです。それがキョンシーのような感じだったのでしょうか。女性は白のチマチョゴリでした。
麻布の服を身に付けるのは、亡くした親族へのお詫びの表現でもあったとのこと。自分たちの力が足りなくあの世へ行かせてしまったという後悔の思いを現しているそうです。
最後に…
親族たちが主に白い服を着ていたというのは、何か昔の日本を思い出させます。日本も明治時代頃まで、遺族は白を着ていたということです。白の民族服から黒いスーツへ。日本も韓国も衣装の面では同じような歩みをたどっています。
残念ながら弾劾が可決してしまいましたが、先ごろまで韓国は女性が大統領でした。アメリカも日本も国の長に女性がついたことはありません。儒教の国で女性はお葬式の喪主になれない風習がありながら、国のトップに女性を戴いた韓国。これを見ると葬儀のあり方もこれからどんどん変わっていくような気がします。