遺品整理をする品物は大体、遺族や友人が使うために取っておく物、売る物、捨てる物、の3パターンに分かれる。
その中で最も手段が豊富で遺族の頭を悩ませるのが、売る物だろう。
今は亡き父は、多趣味な上にコレクション癖があり、家族にはあまり価値のわからない趣味の物品をかなり遺していた。
それらの物から父を偲ぶこともあったが、趣味のグッズは同じ趣味を持つ人の手に渡った方が良いと考え、私は没後すぐにそれらのグッズを売りに出すことにした。
(1)ネットオークション(高く売れる可能性もあるが、手間がかかる)
金銭面ではベストの手段。
業者に出すと二束三文で買い叩かれるような品でもまあまあの値で取引出来ることがある。アニメや映画のグッズ等のコレクション性の高いものや、ブランドの洋服や小物等に最適。
しかし、なんといっても手間が掛かる。
商品の撮影、仕様説明、質問への回答、取引、梱包、発送等の作業をその都度こなさなければならない。またそれらの労力を払っても買い手が見つからなかったり、大した値が付かなかったり、悪い評価を付けられるのではないかとヒヤヒヤすることもある。
事前に似たような品が出品されているか、入札はされているのか、大体いくらぐらいで落札されているかを見ておいた方がいい。
(2)専門店買取(手間はそこまでかからないがが、それほど高くは売れない)
ネットオークションに疲れた頃に頼りがちになる。
私が利用したのは古書、古雑誌、アーティストのライブパンフレット、映画のレーザーディスク、レコード、古書、カメラをそれぞれ専門的に買い取っていた業者で、いずれもネット検索により店舗を見付けて宅配便で買い取ってもらった。
大型中古品買取チェーン店よりはマシだろうか、と思うが金銭的な意味ではあまり良い結果は出なかった。
他には着物、同人誌、デジタル・オーディオ機器等の遺品があった場合はこのような専門店に買い取ってもらった方がいいのではなかろうか。
(3)大型中古品買取チェーン(一番簡単。値がつかないものも全て引き取ってくれる)
バーコードの付いている書籍、CD、DVD、古着はまとめて宅配買取をしてもらった。
結果はご想像通り、二束三文で買い叩かれたわけだが、値が付かなかった物も無料で引き取ってもらえるし何よりも楽である。
遺品整理業者も選択肢の一つ
金銭的にはいかに「面倒臭い」という気持ちと戦えるかが大きな分かれ目となって来る。
そして以上の手段を経て更に「面倒臭い」という気持ちが勝ると廃棄処分となるか、遺品整理業者に全てを委ねるということになるだろう。
業者買取は殆どの場合、その労力に見合う対価は得られないと考えた方が良い。しかし故人と同じ趣味を持つ、その物の価値のわかる人の手に渡る可能性は残るのではないだろうか。