葬儀儀礼を一切しない、火葬のみで済ませる「直葬」という選択が増えている。
通夜・告別式もしないのが、直葬である。
直葬とは、どのように行ったら良いのか?メリット・デメリットはあるのか?
直葬のメリット:低費用 デメリット:簡素であるためお別れの時間が短い
メリットと言えば、やはり一番は費用面だろう。できるだけひっそりと仰々しくせず、という故人の希望もあると思う。
ただ、葬儀は執り行わずとも、必要な手順と費用はある。順番にみてみよう。
最初にあるのは、臨終の看取り。遺体の清拭と衛生処置、着替えなどを行う。そして役所に死亡診断書(死体検案書)を提出し、火葬許可証を交付してもらう。
葬儀はしなくても、火葬はしなくてはならない。火葬場を予約し、遺体の搬送、ドライアイスの処置、棺や骨壺の用意が必要だ。葬祭業者に依頼し、手配してもらう。
ちなみにドライアイスは、季節にもよるが一日当たり大抵10kg必要。火葬場が混み合っていた場合、予約日までの日数分必要となる。さらに安置施設に預ける場合は、保管料が一日当たり1万円程度発生する。棺はそれこそ高級品は上限なしであるが、こだわりが無ければ低費用で用意可能である。骨壺は、これも特別こだわりがなければ数千円程度となっているが、中には無料という公営火葬場もある。そして遺体搬送は、寝台車と霊柩車のどちらを利用するかによって変わるが、概ね10km単位で費用が変わる。
火葬場の費用は、公営の場合、自治体にもよるが無料~2万円程度。民営では5万円近くかかる。火葬の間に利用する控室料は数千円ほど。飲食をすれば別途実費としてかかる。そして忘れがちだが、徐々に減ってきてはいるが、運転手・火葬場の係員などへの「寸志」も必要になるケースがある。
遺骨を骨壺に納め、埋葬許可証を受け取れば、これで終わりである。慌ただしいが、従来の通夜告別式を行うお葬式に比べると簡素である。眠る姿に別れを告げ冥福を祈る時間は、従来のお葬式に比べると確かに短いため、この点が直葬のデメリットだろう。
デメリットを補うためのお別れ会がオススメ!
そこで是非お勧めしたいのが、「お別れの会」や「偲ぶ会」だ。
通夜や葬儀では、遺族はその対応に追われ、ゆっくりとお別れをできないこともある。当日かあるいは後日開催するお別れの会なら、参列者一人一人に生前のご厚誼への感謝を伝えることもでき、故人のエピソードを共有するなどの形で、哀しみを癒すこともできるだろう。
「葬儀」という形にとらわれず、また宗教やしきたりにこだわることもなく、シンプルに故人を見送ることは、決して恥ずかしいことではなく、その金額が弔いの気持ちに比例するものではない。心を込めて、その人・家族ならではのスタイルで送り出すことが、亡くなった方への供養にもなるのではないだろうか。