お葬式や法事、お盆のお供え物として欠かせない「落雁」。
梅雨を過ぎる頃にお盆のお供え物してスーパーなどでも販売される落雁は見た目にも鮮やかで、筆者には子供の頃母親に買ってくれとねだって困らせた思い出がある。
だが落雁とはどんなものか、意外に知らない人も多いのではないだろうか。
今回は知られざる落雁の秘密に迫ってみた。
落雁のルーツと歴史は?
お葬式やお寺での大きな法要の際には真っ白な紙に包まれた落雁が祭壇に山積みにされ、一見食べ物ではないかのような見た目で置かれている事もある。
そのため、中には落雁を食べてはいけないものなのではないかと思っている人もいるようだ。しかし、落雁は歴史あるれっきとした和菓子であり、そのルーツは何と中国の明の時代にも遡る。
日本の落雁は室町時代に伝わったものが長い歴史を経て改良されたもので、国内各地ではいろいろな種類の落雁が作られている。
中でも高級な砂糖の「和三盆」などを用いた落雁は古くから仏事や茶の湯に欠かせないものとされ、新潟の「越乃雪」、石川の「長生殿」、島根の「山川」は日本三大銘菓に数えられている。
日本以外のものでは中国のユンピンガオや杏仁餅(シンレンビン)、ベトナムのバインダウサインなども落雁の一種である。
落雁の簡単レシピ
落雁の基本となる原材料は主に米の粉と砂糖などで、甘く味付けされた米粉を型に押し付け、固く乾燥させて作られる。しかし、これには様々なバリエーションが存在し、米粉ではないものを使う場合もある。
長野の「栗落雁」や福井の「豆落雁」、群馬の「麦落雁」などはその独特な風味が愛される言わずと知れた郷土の銘菓である。さらに国内外には型押しする際に餡やクルミ、ゴマ、ナッツ類を加えたものもあり、アジア圏ではお葬式の落雁よりもクッキーに近い感覚でお土産物などとして売られている。
実は、この落雁、ご家庭のキッチンでも作ることができてしまう。
参考として簡単な落雁のレシピを載せておくので、これからの季節、お子様の自由研究などにも活用していただきたい。
<オーブンで作る落雁>
*材料
・米粉 20g
・片栗粉 小さじ2/3
・砂糖 30g
・水 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
・(その他)食紅など…適量
*作り方
(1) 米粉、片栗粉、砂糖30gをそれぞれふるいにかけて合わせる
(2) 水と砂糖小さじ1/2を耐熱容器に入れ、溶かしておく。(上記の材料より少し多めに作り、後で小さじ1杯とると楽)この際、食紅などを入れる際は合わせて入れてもOK
(3) (2)に(1)を入れてよく混ぜ、裏ごしする
(4) 好きな型に入れてしっかり固め、抜く(細かい形を作りたい場合はシリコン型で抜かないまま焼いても良い)
(5) オーブンを100度に予熱し、乾燥させて出来上がり(型によって乾く時間が違うので、3分くらいから様子を見て調節する)
食べ過ぎには注意!
お葬式や法事でもらった大量の落雁をどうやって食べたらいいか分からず、持て余してしまうという話も良く聞かれる。
これについては細かく砕き、砂糖の代わりとして料理やお菓子作りに使ってしまうのが最も有効な方法のようである。
ちなみに、余計なお世話かもしれないが落雁100gあたりのカロリーは389kcalである。大好きな方も食べ過ぎにはくれぐれもご注意を。