『終活』とは、「残りの人生をよりよく生きるため、葬儀や墓、遺言や遺産相続などを元気なうちに考えて準備する」ことだそうです。
ん?元気なうちに??病気になっても、怪我をしても、考えることができる間は「残りの人生をよりよく生きるため」に考えてもいいように思います。
というわけで、揚げ足取りになるのは承知の上で、この「元気なうち」について考えてみました。
元気に、長生きし、病まずにコロリと死ぬという意味のピンピンコロリ
私は以前、健康補助食品の企画・開発に携わっていたことがあります。
健康補助食品は薬ではありませんが、その当時は「生きている間は健康であるための努力が必要で、それをサポートするために健康補助食品を」などと偉そうなことを話したりしていました。
まさにそれがピンピンコロリですが、悲しいかな多くの方にとって長い人生の中で体調は、健康→やや健康→やや不調→不調と変化していくと思います。もちろん、人それぞれに期間の長い短いや、一時的な怪我や病気もありますが。
平均寿命と健康寿命
ニュースに取り上げられることも多いのでご存知の方も多いと思いますが、平成26年度厚生労働白書によると、女性の平均寿命が86.30歳に対し健康寿命は73.62歳、男性は同じく79.55歳に対し70.42歳です。
平均寿命と健康寿命の差が約10年ありますが、この期間は冒頭で述べた「元気なうち」に入らないような気がします。でも10年一昔という言葉があるくらい、それは十分長い時間です。
最後を迎える場所の理想と現実
終活で考えておくべき事柄に入るのかどうか微妙ですが、興味深いデータを見つけました。前述の平成26年度厚生労働白書に、「最期を迎える場所~希望と現実~」というものです。
死を迎えたい場所として病院・診療所が17.9%、自宅が49.5%に対して、実際に死を迎えると思う場所は病院・診療所が41.1%、自宅が16.5%で、実際に死ぬ場所は病院・診療所が80.3%、自宅が12.6%です。
まさに希望と現実なのでしょうが、ご自分の体調などによっては、残りの人生を希望通りに過ごすことも難しい現実があるようです。
Betterな残りの人生を
残りの人生をどう生きるか、どう生きたいかは、その時その時のご自身の状況や環境により変わってくると思います。どういう状況であっても、考えることができるなら、Bestとは言えなくてもBetterな選択をしたいと思うはずです。
葬儀や墓、遺言や遺産相続などについての考え方も、同じように変わってくる可能性があるのではないでしょうか。身体が動く限りは、あるいは周りの方とコミュニケーションが取れる限りは、葬儀や墓、遺言や遺産相続などについて考えてもいいように思います。
冒頭に書いた「元気なうちに」に代わる言葉として、このようなことをシンプルに表現できたら、多くの人が残りの人生をよりよく生きるための『終活』になるような気がします。