毎朝目を通す新聞、大概はその社会面の下に載っている訃報欄、決まって目を通す方も多いと思います。著名な方の訃報記事以外では、企業が関係者の訃報を社告として載せる、いわゆる訃報広告の形式が多いのではないかと思います。
都道府県別人口44位の徳島県
ところで私の生まれ育った場所は、四国の徳島県です。徳島を出て既に30年以上経ちますが、年に何度か帰省します。
徳島県といえば、阿波踊りをご存知の方も多いかと思いますが、人口は全国都道府県中44位(平成25年10月1日現在)の小さな県です。
そんな徳島県のある意味すごいと思うところは、都道府県別新聞のシェアで、地方紙である徳島新聞が1位であるのはどちらかというと当たり前ですが、そのシェア率は今でも全国トップクラスです。そしてその徳島新聞には、少なくとも私の父が亡くなった10年近く前までは、県内でお亡くなりになった方全てのお名前が載せられていました。
訃報欄を見た方が続々と弔問にきた父の葬儀
父が亡くなった際、お通夜、告別式を町の葬儀所で行いましたが、田舎のことゆえ今では一般化しつつある告別式の後に繰り上げて初七日法要を行うのではなく、家に小さな祭壇を設け初七日までは毎日菩提寺のご住職様にも来ていただきました。
毎日法要は夕刻に行いましたので、昼の間は母と家の整理などをしていました。ちょっと驚いたのが、初七日までの日中に弔問に来ていただく方が意外に多かったことです。
聞けば、新聞で父が亡くなったことを知り、わざわざお越しいただいた方が多かったように記憶しています。
父は80前に亡くなりましたので、定年退職後に20数年間自宅で気ままな生活を送らせてもらいました。その20数年間のことなら、母もいるのでお付き合いのある方も把握できていますが、それ以前の在職中の頃となると把握しきれない面があることは、致し方ないと思います。
そんな中、懐かしがっていただける昔の知人に、人生最後の近況とも言える訃報をお知らせする仕組みがあるのは、非常に素晴らしいことだと思いました(地方紙だからなせる事ですが)。
訃報を知らせるサービスは必要ではないでしょうか
最近は家族葬をはじめ、近親者のみで行われる葬儀も多くなりましたが、故人やご遺族の方の意志に反しないなら、徳島新聞にあったような訃報欄もあっていいように思います。
もちろん、細心の注意が必要な個人情報ですから、それ相応な仕組みは必要ですが。
見る人(故人の関係者)が見ればわかる、そんな仕組みと場はないものでしょうか。