近年、認知度が上がってきた「家族葬」。ご存じの方も多いだろう。
しかし、これほど知れ渡ってきているにも関わらず、「家族葬」には明確な定義がないのだ。
そこで今回は、文字通り家族だけで家族葬を行った場合、どんなことが起こりえるかを取り上げてみたい。
親しかった知り合いはもちろん、叔母やいとこなどといった親戚を含めない、家族だけの家族による家族葬。
呼ばれて当然だと思っている親族との関係が悪化する？
まずは、家族葬で集まることのできる親子といった狭義の家族以外の親族から、「どうして知らせてくれなかったのか」と聞かれることが考えられる。
家族だけで行わなければ、本来なら葬儀に呼ばれるだろう、亡くなったことを知らせてくれるだろう、と考えていた親族の想定に反することになり、親族関係に悪影響を与える可能性がある。
突然の参列者への対応を迫られる可能性あり
次に、近所の人たちから「お悔やみを申し上げたい」という声が出る可能性がある。
この場合、家族だけで葬儀を行う旨を伝え、丁重にお断りを入れるのが一般的だ。しかし、それでも「ご焼香だけでも」と言って、参列なさろうとする方が出てくる可能性も低くない。
そんな方のお気持ちを無下にすることは大変な失礼に当たるため、突然の参列であったとしても対応せざるを得ない。
そうなると家族葬の「家族だけでゆっくりと故人との別れを偲ぶ」という最大のメリットが得られなくなる。
葬儀後に、次々と訪問者が来る可能性もあり
更に葬儀が終わった後に、葬儀に出席できなかった知人や友人から、「お線香をさせてもらいたい」、と次々と訪問を受ける可能性がある。
一段落して、やっと心に余裕ができたとおもいきや、これもまた対応に迫られることになるが、家族葬でなかったならば、発生することはなかっただろう。
誰を呼ぶかは間違わないように気を付けましょう
冒頭で述べたように、家族葬に明確な定義はない。唯一共通の理解としてあるのは、以前の葬儀とは違い、小規模・低費用で行うという点だろう。
誰を呼んで、誰を呼ばないか、これは家族葬だからといって、家族だけでやらなければならないということはなく、むしろ呼ぶべき人を見誤ってしまうと、後々に大きな問題となることもあるので、慎重に検討していただきたい。
