命あるものが必ず経験することになる「死」。
生あるものがその故人を弔うことになるが、死者は当然「死」の経験を語ることは出来ない。
そうなれば、生あるものにとって「死」とは未知であり、恐れるもの。
だからこそ、特別な出来事と言える。
故人とのお別れをすることは生あるものにとっては一つの人生の区切りともなる。
そのお別れをする葬儀とは、一般的に「死者を葬る儀式」のことをいいます。
最近の日本では、その特別なお別れを楽しい儀式で考えるようになってきたり、昔の日本では無かったペットを葬る為の葬儀が増えてきたりと葬儀は様々に変化しています。
近年、お通夜も半通夜が多くなってきた日本。また、通夜のみ、葬儀のみ参列することも当たり前になってきている。
今後、日本の葬儀はどのように変わっていくのでしょうか?
ガーナでは故人に由来がある棺を利用
現在開催されている2014年サッカーW杯、ブラジル大会。その出場国の一つ、ガーナでの葬儀がとても興味深い。
まずは、ガーナの葬儀にみる棺の形。
ガーナでは故人に由来のある形の棺を使っている。
例えば、ココナッツ生産者の父が亡くなった場合の棺桶はココナッツの形や色にしたり、大工さんの場合には、金槌の棺桶など、様々な形の棺桶が作られている。しかも、そのクオリティーは高く、ポップなデザインが多い。
日本でも、火葬がほとんどなので木の棺を使うことが多く、加工や入手のし易さからガーナの様な棺の形が使われても良さそうなもの。
だが、さすがにガーナにみるデザインは日本では浸透しないでしょうか。
ただ、今の日本のアニメ、アイドル文化の進化などを考えると棺桶の形の常識が変化することもあり得ないことも無いと考えます。
日本では昔、様々な形、材質の棺を使われていたが、現在は四角い寝棺桶の方が、運び易く一番都合が良く、宗教上の背景や歴史もあることからも、棺の形が変わらないことも考えられます。
どちらにしろ、皆さんはどの様な棺に入りたいか考えたことはありますか?
ガーナでは「どんちゃん騒ぎ」な葬儀
さらに、ガーナの葬儀に関しても、やはり日本とは全く別もの。
それがどんな葬儀かと言えば、とにかく大勢で楽しむ葬儀と言えます。
故人が寂しくならない為に思いっきり騒ぎ、大勢で見送る為のようです。
その為、日本と違い、準備期間がとても長く、葬儀自体も1度ではなく、2度行うことがほとんど。
1度目は、故人としっかり真面目な面持ちで別れをし、2度目は、呼び集めた大勢で棺桶を担ぎ、お祭り騒ぎをする。そんな葬儀にしてほしいと思いませんか?
多様化していく日本の葬儀
私は、祖父の葬儀に参列してみた時に「何故、これほどまでに時間を長く使って、ただただ、しんみりとさせている儀式なんだろう?」と疑問を持ちました。
もちろん、日本にも葬儀の歴史があり、故人を弔う儀式をしていることは承知してはいるが、私なら家族にしんみりした葬儀にして欲しくないと思います。
日本でダンスが必修科目になり、クラブでのダンスも認められつつある現代。
大人しかった日本人は音楽にのり、ダンスをする機会も増え、インターネット等の媒体が個性をさらに表現しやすくなっていくでしょう。
正直、これからの時代、葬儀はもっと楽しく、ガーナの様に故人を寂しく思わせない様に、思い切り楽しく見送ることも増えてくるのではないかと思っています。
ちなみに人は人生で3回主役になれると言います。
一つ目が「誕生」。
2つ目が「結婚式」。
3つ目が「お葬式」。
主役となれる最後のチャンスである「お葬式」も、もっと多様な演出があってもいいかもしれません。