先日、ネットニュースで、死んだ夫からバレンタインデーの花束が届いたという記事を読みました。アメリカはワイオミング州からのトピックスで、脳腫瘍で夫(53歳)を失った妻(52歳)の元へ花束とカードが届いたそうです。
自分が先に逝くことで妻に寂しい思いをさせたくないと思った夫が、生前、花屋に相当の料金を支払って毎年届けてもらうように頼んでいったとのこと。
ロマンチックなよい話と思う人もいる一方、亡き夫が今後どのくらいの前払いをしているかにもよっては、死後もしばられているようだと受け止める人もいるようです。
故人からの花束――花であれば素敵ではないかと筆者は思いますけどね。
若くして亡くなった母親が、幼い娘に残した毎年の誕生日メッセージ
以前に見た洋画では、若くして死病にとらわれてしまった女性が、まだ幼い娘の今後の成長を見越して、毎年の誕生日メッセージをテープに吹き込んでおくというエピソードがありました。
自分がたどってきた女としての歴史を振り返りつつ、“この年頃だとこういう悩みがあるだろう”と想定しながらメッセージを吹き込む場面は、胸が詰まりました。
そうでもしておかないと、幼い子供を残して逝くなんて心配でやりきれないでしょう。
しかし、もしも自分が残された娘だったら――亡き母からの音声メッセージは、聴くタイミングを選ぶかもしれないなと思ったりしました。
故人からのビデオレターは一般的になりつつあります
また、最近増えているのは、故人からのビデオレターです。
コンパクトデジカメやスマートフォンなどで手軽に動画が撮れるようになりましたので、友人へ、あるいはご家族への動画メッセージを残しておかれる人もいるようです。
元気なうち、よいコンディションでの準備があるとよいかもしれませんね。
葬儀では、故人からのムービーが公開される事例もときどきあります。思い出写真を中心にスライドショーを編集し、BGMを挿入、その中にビデオレターも入れて、一編の作品として構成されることも多く、これを葬儀などで流すと印象はかなり強く残ります。
ビデオレターに抵抗がある方は写真がオススメです!
葬儀は自然でいい、目立つことはしたくないという方にもお勧めなのは、写真の準備です。
遺影になる写真は、事前の準備がないと、遺族の手持ちの写真から正面を向いた笑顔の故人が適当に選ばれて、葬儀社でスキャンされた後、デジタル処理されます。
大勢の中のスナップ写真ですと、背景や服を合成されたものができ上がることになります。あまり写真を撮る習慣のない人の場合、笑顔で正面を向いて顔が大きくはっきり写っているというのは、たいがいが宴席でのスナップだったりするものですから、遺影にしたときに何となく違和感が生じます。
遺族が毎日見上げ、語り掛けるものですから、自分が気に入る1枚を撮っておくのはどうでしょうか。お気に入りの服を着て、近所の写真館へ行くだけで済みますので、これはお勧めです。
以上、死後に故人からプレゼントできるもの……を考えてみました。
もちろん、遺産・遺言などの資産がらみのことは、また別の話ですけどね。