先日からご紹介しています「霊園さんぽ」のコラムも第二弾です。今回ご紹介するのは数々の文化人、著名人が眠る土地である護国寺&雑司ヶ谷霊園です。
護国寺&雑司ヶ谷霊園に眠る歴史的政治家とは?
先日の歴史的政治家が眠る青山霊園とはその雰囲気は打って変わります。まず雑司ヶ谷霊園は住宅街の中にひっそりと佇み、「文化人」の霊園という名に恥じないほど、そこには近代を生きた多くの文化著名人の方々が眠っています。また護国寺の奥にも墓地があり、そこには以外な「アノ人」も眠っています。では、早速ご紹介いたしましょう。
龍馬伝にも登場した「ジョン 万次郎」
まずは雑司ヶ谷霊園エリアからご紹介するのは日本で最初に海外へ行ったジョン万次郎です。ふとした拍子に漂流してしまった彼はアメリカの船に助けられ、アメリカ本土で保護されます。大河ドラマ『龍馬伝』にも現れるように、一介の漁師であった彼が日本の近代化に大きく貢献します。
(photo by wikipedia)
日本を代表する文豪「夏目 漱石」
彼の著作を読んだことのない日本人がいない程の日本を代表する文豪です。そしてまるでひとつの因果のように彼が眠るここ雑司ヶ谷霊園は、彼の代表作『こころ』において実際に「私」が「友人」の墓参りに訪れる場所でもあります。また、よく彼のお墓には猫が座っています。これも彼だから、なのでしょうか。
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『あめりか物語』や『ふらんす物語』で有名な文豪「永井 荷風」
『あめりか物語』や『ふらんす物語』で有名な奇人とも言われる文豪です。人混みが苦手でありながらも毎日のように遊び歩いていては、大金を落としただのと騒いでた彼も、晩年は文化勲章を賜る超文化人となりました。
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『黒船屋』で有名な「竹久 夢二」
「大正の浮世絵師」とも呼ばれた画家であり、絵画からデザインまで幅広くこなすオールラウンダーでした。『黒船屋』で有名な彼の絵も皆さん一度は見たことがあるのでないでしょうか。
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『耳なし芳一』を現代に広めたことでも有名な「小泉 八雲」
彼の名を言われてもどこか聞き覚えがあるようで、顔は思い浮かばない、そんな人が多いのではないでしょうか。実はそのはず、彼は本名「ラフカディオ・ハーン」というギリシア人でした。彼はあの怪談『耳なし芳一』を現代に広めたことでも有名です。
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テレビでよく見かける言語学者 金田一秀穂氏の祖父「金田一 京助」
彼はかの有名な高校生探偵ではありません。しかし一度はその名を目にしたことがあると思います。彼こそ『明解国語辞典』の編者であり、今やテレビでよく見かける言語学者金田一秀穂氏の祖父にあたります。因みに、例の高校生探偵のアイデアも実はこの金田一京助氏が絡んでいます。
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早稲田大学の創立者「大隈 重信」
ここからは護国寺です。ここには「青山にいないと思ったらここにいたの?」という少し意外な二人が眠っています。
総理大臣2回、外務大臣2回を歴任し、知らない人はいない明治の歴史的政治家です。彼はまた早稲田大学の創立者でもあることはご承知のとおりでしょう。彼のお墓は灯篭が並べられた通路の奥に、その懐の大きさを体現するかの如くどっしりと大きな墓石で以て鎮座しています。いかにも彼の政治家らしいお墓です。
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徴兵令や教育勅語の発布に尽力した「山縣 有朋」
現在ホテル椿山荘がある場所は元来、この山縣有朋の別荘でした。彼もまた総理大臣を2度歴任し、「徴兵令」「教育勅語」の発布に尽力するなど、明治期に今の日本の土台作りに生涯を捧げた男の一人でした。彼のお墓は護国寺墓地内でも開けた場所にあり、その荘厳さは圧巻です。
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最後に
以上、護国寺&雑司ヶ谷霊園に眠る著名人をお墓をご紹介しました。もちろん、これだけではありません。歩いてみれば歩いてみるほど霊園さんぽというものは発見に溢れています。お墓の暗いイメージを払拭するためにもまずは一度、お出かけしてはどうでしょうか。
次回は台東区の谷中霊園をご紹介します。