日本では、葬儀のとき『最後のお別れ』ということで、棺桶のふたを開けて花を手向けます。
その時、本当に最後に故人との別れになります。その時の顔を見ます。『きれいな死に顔だった』とか『まるで、生きているようだ』などと、きれいな死に顔の人もいますがそんな人ばかりではありません。
事故や事件で顔に損傷ができた場合もあります。また、高齢で亡くなると、顔は当然老けています。しわがあったり、やつれていたり、髪が薄くなっていたり、年を取ってから亡くなれば、当たり前のことです。
遺影と違う死に顔
その時、ふと顔を上げると、若くて元気なころの遺影があります。
亡くなる直前に撮った写真ではないので、棺桶に入っている故人とは顔が違って見えるのも当然です。
若い時に亡くなった場合は、遺影の写真とそれほど違いはなくても、年を取ってから亡くなると顔つきも変わってしまいます。
知人や友人、生前の仕事仲間などに、そんな死に顔を見られたいでしょうか。
故人の遺志は、どうだったんでしょうか?? 芸能人など、若いときや活躍していた時の写真を遺影に使います。
そして、年を取って亡くなった時の顔が、余りにも別人のようになっていて、驚くことがあります。
病気だったら、長年の薬の副作用で、髪が抜けたり、顔がやつれてしまうことは、芸能人も同じです。
しかし、死に顔は見せたりしません。イメージが大事だからです。笑っている遺影がすべてなのです。
でも、それは、一般人でも同じだと思います。きれいな死に顔だったとしても、見せたいでしょうか??
見られたいでしょうか?? 見せてもいいのでしょうか??
マスクマンは死に顔もマスクマンでしょうか?
国が変われば、葬儀の仕方も変わります。メキシコでは、こんな葬儀が本当にありました。
亡くなったのは、国民的大スターの覆面レスラーです。
日本で言えば『長嶋選手』や『王選手』のように子供から大人まで、誰でも知っているような、有名なプロレスラーでした。
マスクマンなので、マスクは命の次に大事なものです。なので、素顔は誰も知りません。仲間の選手の前でも、マスクは脱ぎません。素顔は、家族以外、秘密なのです。
そんな大スターが亡くなりました。国を挙げての国民葬になりました。ニュースにもなりました。
その時、棺桶で眠るように横たわっている姿が、なんと『マスクをしたまま』でした。
死んでも尚、素顔は明かさなかったのです。最後まで、マスクマンとして一生を終え、決して、マスクを脱がなかった姿がありました。
もちろん、日本ではそんなことはありません。日本にも、覆面レスラーはたくさんいますが亡くなった時は、素顔で葬儀をすると思います。今は、いろいろな葬儀の形があります。
密葬、家族葬、個人葬、生前葬のようなものもあります。
もしかしたら、未来の葬儀で、死に顔は見せないという形も出てくるかもしれません。
あなたは、亡くなった後の顔を見られたいですか??