骨壺・骨箱とは?
骨壺は、亡くなった人荼毘に付された遺骨を納めるための壺のことで、その壺を納めるための箱を骨箱と言います。
全国的にみて骨壺の大きな特徴としては、地域によってその大きさが違うということです。それは収納の仕方の考え方の相違によるもので、大まかに分布すると東日本は大きいサイズ、西日本は小さいサイズとなっています。
なぜそのような違いがあるのかというと、大きいサイズを使用する地域は、火葬後の遺骨をほぼすべて骨壺に納めてしまうのに対して、小さいサイズのものを使用する地域は、それぞれの身体の部位を一部分ずつのみ収納させつために、大きなものは必要がないからなのです。
骨壺のサイズは寸で表されます。主に東日本の大きいサイズのものは7寸で、西日本の小さいサイズのものは4寸とされていることが多いようです。ただこれは単なる目安で、西日本といっても大きいサイズのものを使用する地域もありますし、その土地の風習によって選ばれる骨壺のサイズはさまざまです。
骨壺の形は、基本的には円柱形となっており、最も親しまれやすくなっていますが、特に決まりがあるわけではありませんので、球体や立方形のものもあります。
そして分骨用の小さな骨壺は骨箱には納めずに、骨袋という布製の巾着に納めたりもします。
骨壺はそのままの状態で、墓石の下に収められます。また納骨堂にもそのままの状態で安置されます。骨壺は、そのために腐敗したり簡単には壊れたりしない素材で作られています。
骨壷・骨箱の豆知識:骨壺の種類
日本で一般的に使用されている骨壺は陶磁器製のものがほとんどです。生産地として有名なのが、陶器製では四日市、土焼きのものは常滑市、陶磁器製は愛知県の瀬戸市などがその代表的な産地です。
また九谷焼や伊万里焼、有田焼などで作られた高級な骨壺もあります。それぞれの窯元の特徴を活かした骨壺は、美術品と言えるほどの作品も数多く作られています。
そもそも遺骨を骨壺に納める風習は古く、インドのお釈迦さまへの信仰が始まったころからのものと考えられています。火葬後の遺骨は大切に扱われ、美しい入れ物に入れて保管をすることが望まれて、次第にそれが習慣となっていきました。
骨壺は通常、骨箱に収められていることが多いので、そのデザインが美しいものでも、残念ながらあまり目に触れることがありません。本人が自分のためにこだわりの骨壺をあらかじめ準備しておいて、実際に必要になるまで、部屋などに置いておられる方もいるようです。