洋型墓石とは?
洋型墓石とは、お墓のデザインの一種です。基本的に縦に長い和型墓石と比べると、洋型墓石は高さが低くて横長の印象があり、台石にも安定感があって現代的なデザインといえます。
下台、中台、竿石の順に重ね、下台の上には花立と水鉢が置かれ、さらにその手前に拝石と香炉が置かれる、といった形が一般的です。墓石の形は宗教や地域によっても異なり、現在では加工や付属品、石同士の組み合わせなども会社によってかなり自由に選択することができるようです。
また、洋型墓石の竿石の場合は盤面が横長の長方形となるため、彫刻する文字も横書きの場合が多くなります。ここでは和型墓石と違い、家名だけでなく『希望』『慈光』といった熟語、『安らかに』『ありがとう』などと言った言葉、お気に入りの詩の一節など、彫刻できる文字もかなり自由に設定できます。また植物などのイラストの彫刻が施されることもあります。
洋型墓石の豆知識:宗教は関係あるの?
古くから日本の代表的なお墓であった縦長の和型墓石に対し、最近は洋型墓石の人気が高まっています。洋型墓石は使用する墓石の量が少なく、和型よりも費用が抑えられるといった特徴がありましたが、もうひとつ人気の理由として挙げられるのは、あまり宗教色を感じさせないということです。
洋型墓石はもともと洋風の霊園などから広まりました。洋型墓石には一つ当たりの設置に必要な面積が少なくて済むという利点から、墓地不足が深刻な現在には洋型墓石を推奨する霊園が増えています。
しかし個人や家のお墓についても、洋型墓石は広まりつつあります。和形墓石には仏教など宗教的な意味合いが含まれています。宗派によっても形に少しずつ違いがあり、家の宗教、また墓地の景観の統一などの制約によってあらかじめ墓石の形が指定されていることがあります。
洋型墓石には宗教的な意味合いでの形の縛りはありません。洋型と言っても日本では日本人が入るお墓ですので、日本的な習慣に合うようお線香をあげるスペースや花立も備えられています。洋型墓石だからと言って、例えばキリスト教の伝統的なお墓であるというわけではありません。
形や彫刻する文字など、従来の形式にとらわれることの少ない洋型墓石は、家族の形や宗教、葬儀の在り方もさまざまである現在には多く歓迎されているようです。
自分や大切な人のお墓を選ぶときには、たくさんの選択肢の中から合うものを選ぶようにしたいですね。