菩提寺とは?
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々からの位牌を納め、お墓があるお寺のことをいいます。古代や中世においては一般的に「氏寺」と呼ばれていました。
菩提寺では、葬儀などの仏事を行ってもらったり、お墓まわりの相談に乗ってもらったりすることができます。いざ親族の葬儀を行うことになった際、お世話になるのは この菩提寺の僧侶です。
菩提寺をどのように見つけるかご存知でしょうか。中には自分の菩提寺がどこか分からない、お葬式の相談をどこですればいいのか分からないという方もいるでしょう。では、自家の所属する菩提寺を探すときはどうすればいいのでしょうか。
まずは、自分の親や親族をあたってみましょう。菩提寺は親類で同じである場合がほとんどであるので、親族の菩提寺が自家の菩提寺であるはずです。また親族の葬儀があった際にお世話になった僧侶を確認し、尋ねてみるのもよいでしょう。
また、こちらはより手間がかかりますが、地元周辺にある寺院に問い合わせをするという方法もあります。調べたい家の故人の名前を、地元にある寺院にひとつひとつ尋ねてみましょう。
菩提寺の豆知識:「菩提」ってなに?檀那寺とどう違うの?
菩提寺の「菩提」、何に由来しているかご存知でしょうか。そもそも「菩提」という言葉は仏教に起因します。もとはサンスクリット語・パーリ語の音写で、極楽往生して成仏することや悟りを開くこと、といった意味を持つ仏教用語です。
日本語に「菩提を弔う」という言葉がありますが、これは死者の冥福を祈って供養する、という意味です。したがって、「菩提寺」という言葉にも 亡くなった家族・親族の冥福を祈り、悟りを開くことを願うといった思いが込められているのです。
「檀那寺」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。これはある家が所属している特定の寺のことを指します。家が寺院に所属、と聞くと、今紹介している菩提寺となんだか印象がかぶります。菩提寺と檀那寺にはどのような違いがあるのでしょうか。
現在、日常的には両者の間にあまり違いはありません。しかしその起源や厳密な意味では異なっています。寺院に葬儀や法事などの仏事をお願いする代わりに、家がその寺院に所属して維持費を負担するという仕組みがあります。これを「寺檀関係」と言い、寺院を「檀那寺」、所属する家を「檀家」と呼びます。つまり檀那寺というと、その家との金銭的・経済的なつながりの方が重要視されるといえるでしょう。
対して「菩提寺」はというと、重視されるのは「先祖の死後の冥福」です。つまり、どちらかというと檀那寺は家と寺院の生前の繋がり、菩提寺は家と寺院の死後の繋がりを重要視した言い方となります。檀那寺が経済面での繋がりであることも特徴的です。日頃あまり意識しない差ですが、いざというときに混乱しないためにも 覚えておくといいかもしれません。