友引とは?
友引とは、陰陽道(おんようどう、おんみょうどう)という、古代中国で生まれた陰陽五行説に従い、天文・暦・占いなどの世の中のあらゆる理(ことわり)や成立ちを研究する学問によって、定められたひとつの吉凶の方角のことをいいます。友引はそのなかで、友に災いがおよぶ方角という意味合いがあります。
暦注の、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六曜のうちのひとつでもあり、もともとは何をしようが勝負のつかない日、ひいては良くもなく悪くもない日としての意味を持っていたのですが、そののち陰陽道の留連(友引はもとの中国では留連と言われていた)と結びついて、この日に葬儀をすることは友を引く、つまり誰かを一緒に連れていってしまうといって恐れられ、忌み嫌われるようになりました。
勝負がつかない日とされたのは、友引が六曜の先勝と先負の間にあり、勝つことも負けることもない中間に位置するためだと言われています。相友引きとて勝負なし、というわけです。
また友引の一日を厳密にわけると、運気の下がるのは昼間だけということなので、友引に葬儀を行うなら最悪、朝か夜に行えばいいということになります。それでも友引に葬儀を行うことになった場合にどうしても気になってしまうということであれば、お棺に人形を入れるという風習もあります。友を連れていく身代わりにするためです。これは友人形と呼ばれています。
友引は葬儀のおりにはこのように神経質になりますが、結婚式などのお祝いごとを行うのは全く問題ありません。友にも幸せがやってくるといわれて、大安の次に人気のある日となっています。ただし、やはり昼間は運気が下がる時間帯ですので、その時間は避けるのがベストでしょう。
友引の豆知識:引っ越しのお祝いは、万年青を送る
まんねんあお…万年青と書いてオモトと読みます。どこの園芸店にでも置いている、よく見かける観葉植物です。多年草で30~60㎝程度の葉を何枚も重なるようにしてつけます。春の頃になると薄い黄色の小さい花を縦に並んで咲かせます。そしてそのあと、真っ赤な実の塊となるのです。
これはとても縁起のいい植物として人気があり、贈り物として大変喜ばれています。特に新居のお祝いによく使われます。その昔、徳川家康が江戸城に入るときに床の間に飾られ、その後200年も江戸幕府が繁栄し続けたことが、万年青を縁起のいいものとして位置づけることになったようです。
友引は葬儀には忌まれる日ではありますが、贈り物をするのは最適とされています。友引を選んで、引っ越し祝いに万年青を送るととても喜ばれるのではないでしょうか。