通夜のマナー

通夜とは近親者が死者とともに終夜を過ごし、故人の霊をなぐさめ邪霊の侵入を防ぐために行う儀式のことで、遺族と本当に親しかった人たちが最後のお別れをする、ごく私的な席です。それとは逆に、故人と生前親しかった人たちが最後の別れを告げる公の儀式は告別式です。

仮通夜

ご逝去なされた夜に、家族だけで故人と一緒に過ごす時間です。お亡くなりになられた日に通夜を行える方はほとんどいないと思います。
亡くなられた直後の仮通夜は、家人が準備などで慌ただしい時です。また、故人が亡くなるまで長く入院していた場合などは、遺族の方は看病に疲れていることもありますし、そうでなくても、亡き人を思い哀しみに暮れているときです。余程故人と親しかった場合を 除いては、入り口で挨拶だけして失礼するのがベターです。
その挨拶の際には死因などは尋ねないのが当然の礼儀です。また仮に勧められてお家に上がった場合 も、長居は避けるようにしましょう。

本通夜

葬儀式前日の前夜祭と考えると良いと思います。 仮通夜に駆けつけられなかった方々もこの日には訪れ、仮通夜より規模も大きくなり、大勢の方に明日のお別れを惜しむ日とされていました。
本来なら、葬儀・告別式が正式な日で、この日に大勢の方に来ていただくものでしたが、仕事の事情などで、この本通夜の日に訪れる方がほとんどとなってしまっています。
本通夜では焼香をした後、通夜振る舞いに誘われたら断らず一口でもいいですから箸をつけるべきです。
これは喪家の心遣いに応えるためにも必要な事です。
ただし、本通夜の際にもあまり長居しないようにしましょう。

遺体との対面

故人との対面も、故人と特別に親しかったという場合を除いては、勧められない限り遠慮するのが当たり前です。
逆に、大変親しくお付き合いしていた方が亡くなられた場合は、遺族の方からぜひ一目対面してやって欲しいと請われる事もあるでしょう。
対面の作法は、
 1. まず遺体の枕元から少し下がって正座します。
 2. 一礼のあと、遺族が顔の白布を外したら膝をつけたまま近づきます。
 3. 対面のあと、もう一度一礼して合掌します。
そして遺族にも一礼するのですが、この時「安らかなお顔で~」などの言葉を自然と掛けるべきです。