私の珠数入れを開けると、2つの珠数が入っています。ひとつは浄土真宗の珠数です。そしてもうひとつは日蓮宗の珠数です。
私の母方は長野県松城町の浄土真宗のお寺で、幼い頃から浄土真宗の珠数を使っていました。珠数の持ち方ですが、両手の親指で押さえて房は両手の間からおろして手を合わせます。
それが21年前に結婚した時に妻の家系が日蓮宗で、初めて日蓮宗の事を知り、訳あって私は妻の家系に従い産まれた我が子と共に日蓮宗に入信する運びとなりました。
改宗したことに少し後ろめたさを感じていた
日蓮宗の珠数は当時購入した物を今も使っています。その時にお寺の住職から珠数の持ち方を教わりました。珠数の輪を8の字に捻り中指に掛けます。3つある房は左手に、2つある房は右手側に持ち手を合わせます。それまで見た事が無く初めての珠数の房は、3つの房は人の頭と両手を2つの房は両脚を意味してこの珠数は人の体の分身だと教わり、また珠数の玉一つ一つにも意味がある珠数曼荼羅があるとも聞きました。
数年経つと、妻の祖父母が相次いで亡くなり葬儀や法事が度重なる様になって来ました。始めのうちは、慣れない珠数を持つ度に周りの人の持ち方見て確認したものです。ただ、実母の前でこの珠数を使う事に躊躇いを感じていた事も、私の心のうちではありました。
6年前に妻と離婚し、今私の縁故関係者には日蓮宗の人はいません。ただ、元妻の祖父母の法事には出ませんが、生前は心からお世話になり私や妻子を可愛がってくれた人達です。
離婚したことで日蓮宗との関係性が弱くなった
御盆やお彼岸の節目には行けなくても、私の気持ちが向いた時には墓参りに1人で赴きます。もちろん日蓮宗の珠数を持って墓に「南無妙法蓮華経…」を唱えます。縁故関係は途切れても故人を想う気持ちだけの理由で年に一度はお参りもします。
今、私が赴く法事は浄土真宗のみで、浄土真宗の珠数を持って赴きます。自宅にあった日蓮宗のお仏壇も元妻が持って行ったので、私にとって日蓮宗の仏具は珠数一つしか残っていません。
今私は40歳代の後半、あと30年から40年後には墓に入ると思います。私の墓は切実な悩みになりつつあります。母方の実家の寺は従兄弟が現在住職をしていますが、その頃には従兄弟の娘が住職に就いていると考えます。私は彼女に葬儀の際にお経を挙げてもらうべきか、それとも日蓮宗の住職に挙げてもらうべきか?また、私の墓はどのお寺に建てるべきか?
私の余生に於いて、この選択は必ず解決せねばならない課題です。