相続税について、終活と関連した節税対策や遺産の評価等で、事前に専門家と相談するのが最善であることは間違いない。
しかし、事前に専門家に相談と言っても、具体的にはどうすれば良いか、疑問に思われている方が多いのではないだろうか。
相続税がかかるか否かをまず知る必要があり、それは税理士にしか分らない
終活はともかくとして、これから相続税について対策をしようと考えた場合、最初に相談すべき専門家は税理士だ。何も筆者が、かつて税理士事務所に勤務していたからそのように言うわけではなく、最初に税理士に相談した方が効率的だからなのだ。
これには専門家達のそれぞれの職分が関係しているからだ。何が効率的かと言えば、遺産分割協議に入る前に、相続税が課税されるか否かの重要な判断が必要となる。相続税が課税されなければ、節税対策は必要無くなるので事前に問題を回避できる。更に、遺産分割協議に強い弁護士や司法書士を紹介して貰えるからだ。そうなれば、自分で探す手間を省けるし、より親身になって相談に乗って貰えることが多くそれだけ時間的にも余裕ができる。
まずは無料相談を利用すれば良い
税理士に相談する場合、最も便利なのは無料相談会を利用すれば良い。基本的に無料ではあるが、相談時間を最大30分とした時間制限がある。また、予約制であることが多いので、数ヶ月先まで予約が一杯ということもあるので事前に調査しておくことを勧める。
無料相談会はインターネットで検索すれば直ぐに調べられるし、各県の税理士会に電話で問い合わせれば丁寧に教えて貰えるので、自分達の都合と合わせてから利用すれば良い。
実際に相談する際の注意として、人には得手不得手があるように、税理士にも相続専門の税理士と、相続の実務経験が一切無い税理士が居る。相続専門(相続に強い)の税理士については、インターネットや書籍でも調べられるし、前述のような税理士会に問い合わせれば良い。更に、税理士事務所に直接問い合わせてみるのも良い。電話や電子メールで、相続税の事前相談である旨を告げれば良い。それで対応を渋るようなら、相続税の実務経験が無いか、知識そのものが無く、対応できないから渋っている可能性が高いと判断できるからだ。
家族構成と相続財産の概要は知っておこう
最後に、相談する前に用意すべきものが二つある。これは、相談の際に必ず税理士から聞かれることであり、事前にある程度理解していないと、考えている時間だけで制限時間の30分を過ぎてしまうことが多いからだ。
まず一つ目は家族構成だ。離婚歴がある場合や遠方に兄弟がいる場合だと、相続人の確定に時間がかかる場合があるので、相談前にある程度調べておくと良い。
二つ目は相続財産の概要だ。大まかな内容で十分だが、土地や家屋の場合は、登記簿謄本と、購入時の契約書等を持参すればなお良いだろう。所有する財産をリストアップしておくと後の対応が迅速に行える。
相続の場合には金額が大きく、時間もかかる。税理士や弁護士とは長い付き合いになることが多いのだ。故に事前相談を通して、自分に合った税理士や弁護士を探し、納得の行く対策を練れば、安心できる終活に繋がるだろう。