最近、家の近所で「家族葬出来ます」というのぼりを出している葬儀場を見かける機会があった。
それを機に「家族葬」という葬儀のあり方について興味を持った。
そんな訳で今回は「家族葬」をテーマに取り上げてみる。
家族葬のデメリット
そもそも家族葬とは何か?冒頭ののぼりを見ても、わざわざ「出来るよー」と訴えるぐらいである。今までにはなかった、新しいものなのかもしれない。
端的に言えば、家族葬とは近所の人や仕事関係の知り合いは呼ばずに、家族や親しい友人といった故人に近しい人物のみでお別れをする葬儀のことである。
こう文字にしてみると、格段難しい話という訳でもないようにも見えるが、そう簡単な話でもないのである。
(1)葬儀に呼ばなかった人から「何で呼んでくれなかったの?」とお咎めをもらうことも起こり得る。
(2)葬儀後に弔問客の対応に追われることもあるだろう。
(3)費用の面でも、参列者が少ないからと言って必ずしも安くなるという訳でもない。参列者が少ない分受け取る香典の総額も低くなるため、結果として一般的な葬儀よりも費用が高くなることも時には考えられる。
家族葬のメリット
こうした考慮すべき点はもちろんあるものの、家族葬ならではの良い点と言えば、何よりも親しい・近しい人だけでゆっくりとお別れを出来ることではないだろうか。
家族葬であれば、参列してくれた人への対応などを考えずにただただ悲しみに暮れていることも、故人との思い出に思いを巡らしていることも可能なのである。
大切な家族を失い傷心の身であれこれ考えなければならないことがあるというのはどれだけ大きな負担になるものだろうか。
そうした負担を一切考えなくても良いというのは、家族葬が支持される大きな理由の一つであろうと思う。
本人は勿論、家族としてどんな葬儀を希望するかが重要
家族葬と一般葬、一概にどちらが良い悪いというものでもない。もちろん、そんなことを言うつもりも毛頭ない。
遺族側だけでなく、故人本人が大勢の親戚友人、仕事関係の知人、近所の友人に見送られたいと思っている場合ももちろんあるだろう。
「この人は大勢の人にお別れをして欲しいのだろうな」「いやいや家族だけでゆっくりお見送りをしてくれと言うはず」などと考える時間も、気持ちを整理する時間に繋がるかもしれない。
賑やかなことが好きな人、ゆっくり静かな時間が好きな人――その人それぞれの個性、そしてもちろん遺族が納得出来る形を探すためにも、「家族葬」という一つの選択肢があるのではないだろうか。
あなただったらどんな風に家族を見送りたいだろうか?あるいはどんな風に見送られたいだろうか?