5月13日のお昼のTBSラジオで1つの衝撃が走りました。アニメ「ドラえもん」でドラえもん役として有名だった大山のぶ代さんが、認知症であることが明かされました。
手遅れになる前にどうするべきか
このことについて語った俳優で夫の砂川啓介氏によると、現在は認知症の症状が出たり出なかったりしており、また初期段階では、2004年に患った脳梗塞の後遺症と勘違いし、気づかなかったと述べています。
このように、私たちは加齢とともに、身体や精神の限界を感じずにはいられません。
病気になれば医者にかかる必要がありますが、そのタイミングは時として今後の人生や生死を分ける可能性を持っています。骨折など、外観からはっきりとわかる症状があれば、直ちに対応することができますが、今回の大山のぶ代さんのような認知症や脳梗塞、また骨粗鬆症などは、疾患の初期段階で発見することが難しく、発見できた時には、コップから水があふれるがごとく、手遅れだったというケースも少なくありません。
今すぐできる「電話」や「見守りサービス」
高齢者の孤独死が増加する昨今では、こうしたいつの間にか手遅れになる病への危機感が高まっています。
しかし、こうした危機感を感じられている今だからこそ、今一度、高齢になった自分の両親や祖父母との関係を見直す契機だと捉えられます。では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
高齢者のわずかな変化に気づくには、なによりも交流が重要です。
しかし住宅の都市化や核家族化に伴い、二世帯住宅と行った形態は急激に減少しています。すなわちそれは、家にいれば、年老いた自分の家族を見守ることができる環境から、私たちが遠ざかっていることを示します。こうなると、私たちは帰省シーズンに田舎に帰って、数ヶ月ぶりに自分の両親や祖父母と対面することが多くなります。
しかし反対に、私たちは目の届く範囲で高齢の家族を暮らさなければならないわけではありません。
世代間で大きく違う生活形態は、いずれ大きな軋轢を生むでしょう。一方で、私たちには離れた高齢の家族とつながる数多くの手段を時代の進歩とともに獲得しています。電話であり、テレビ会議であり、はたまた高齢者向けの見守りサービスなどです。これらの利器を効果的に使用することが、これからの私たちに求められています。数日毎にかける電話に応答する母の滑舌がおぼつかなくなっていることに気づき、病院で診断してもらったら、脳梗塞の初期段階だったなんていうことも、現実にはあり得る話です。普段の生活や体調については通信機器などを用いて、密な連絡を心がけ、たまの休みに一緒にお出かけする二刀流が実現すれば、なかなか気づきにくい高齢の家族の変化にも目を留められるでしょう。
最後に…
ここまで、先日の大山のぶ代さんの認知症を例に、離れた高齢の家族の変化にいかに気づき、重大な疾患を予防するかについて、ご紹介しました。
高齢の家族との密な連絡は、自然とその人自身が亡くなった後の話に話題が転換することもあります。生前のうちに家族の中で葬儀や死後について、十分に議論することは、その後の親族トラブルを防ぐ防波堤ともなるでしょう。